隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

私鉄沿線クリーニング戦争勃発!!

2006年03月15日 22時30分00秒 | プチエッセイ

■軍配はどちらに??

 
この街は不思議な商店街を抱えている。それほど栄えてもいない小さな商店街なのに、かつては同じ業種の店舗が向かい合って営業をしていた。それも一業種だけではない。果物屋と文房具屋だ。文房具屋は今でも同じ状態で向かい合っている。今はASKULなどの攻勢で小売の文房具屋はそれでなくてもたいへんだろうに(それぞれにビルのオーナーだからやっていけるんだろうな)。
 ところが、今年になって、クリーニング戦争なるものがひそかに開戦されたのだ。これも不思議なんだけど、こんな小さな商店街にすでに3軒のクリーニング屋が存在していた。そこへもってきて、駅前の店の真ん前に、またしてもクリーニング屋が開店!! ドヒャー、いったい何を考えてるんじゃ!
 
駅前の古いクリーニング屋は私がはじめてこの商店街を訪れたときにはすでに営業していた。鼻メガネをかけた年配の女性がいつも店内にいて、お客さんだけではなく通りすがりの人や商店街のほかの店の人なんかとよくおしゃべりをしている。たまに「そういうことはよくあるもんよ。人間なんて信じちゃダメ」なんてネガティブな人生相談の回答者になっていたりして、結構笑える(この店を仮に「人生相談クリ」と呼ぼう。写真の向かって右側)。古い狭い店だけど、案外固定客はついているんじゃないかと思っている。ただ、おばさんの少々傍若無人な態度をあまり好ましく感じていない客もいそう。
 
そして果敢にも、というか、無謀にも、というか、無神経にも、というか(笑)、とにかく新規開店したほう(仮に「果敢クリ」とする)はチェーン店らしく、そりゃもちろんきれいで、店内も整然と清潔に保たれていて明るい。パートのおばさんやお姉さんらしき人が直立不動でカウンター内に立っている。人生相談クリのほうのおばさんは、ちょっと服装もだらしなく、たまに店の前でタバコをプカ~っと吸いながら踏切を待っている顔なじみと、またまたおしゃべりしていたりする。
 
果敢クリが「開店記念20%引きサービス」とか「無料チケット○○円分進呈」などと派手な営業展開をするなか、とうとう人生相談クリも立ち上がったのです。今までなんの営業努力もせず、おばさんの話術で固定客を維持するだけだったのに、「土曜・日曜に限り、以下のものは20%割引!」の類の貼り紙がペタペタとガラス戸に貼られたのです。
 
私が店の外から価格表をのぞいたところ、スーツに関しては、果敢クリ1050円に対し、人生相談クリは945円で、後者に軍配が上がっておりましたが、ほかは不明。さてさて、どうなりますか。
 
私の中のクリーニング評論家は、「そうですねえ、今の若い人は面倒な会話を嫌いますからね。機能的に『いらっしゃいませ』『できあがりは明後日の3時以降です』『ありがとうございました』的なマニュアルにのっとった対応の果敢クリを好みそうですな。一方、人生相談クリの常連客は年配の人が多いですし、果敢クリに乗り換えるのは難しいんじゃないでしょうか」と、あまり面白味のないことを言っています。
 
そして私の中の野次馬たちは、どちらかが撤退を余儀なくされるのか、どちらもそれなりに頑張っていくのか、あるいは両方敗退するのか、それをちょっと興味深けに眺めているのです。
 
商店街の平和なリポートでした!


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