隠れ家-かけらの世界-

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「スピッツのかけらがいっぱい見つかるかもしれない」~ボストンで漫遊記

2023年07月18日 09時25分32秒 | スピッツ

2023.07.16
「ロック大陸漫遊記」
FM TOKYO




 7月も3週目!
 少し前から話題になっている動画のジャンル、心地よい音を表すASMR(autonomous sensory meridian response)。
 その中で特に、カリカリ、シャクシャクという咀嚼音を動画投稿サイトにあげたものが人気になっている。
 「食べるときのシャクシャクという音は、頭蓋骨の形によっても全然違うんだろうな」と。同じような咀嚼音を動画サイトにアップしても、「バズる音とバズらない音がありそう」。
 ギターのボディと同じで、「形や密度で音が変わりますからね」。
 手にも同じことが言えて、「レコーディングで手拍子を録っても、一人一人音が違う」。
 「手の大きさ、形、厚みも違うし、叩き方の癖とかもあるし・・・。近くの人と比べてみてもおもしろいかも。ひょっとしたらあなたは、すばらしいサウンドの手拍子を鳴らせるゴッドハンドの持ち主かもしれない」、そして、なんと!「スピッツのレコーディングに呼びたいかもしれない」そうです。


 今回のテーマは、【ボストンで漫遊記】
 マサチューセッツ工科大学出身の理系エリート、トム・ショルツさん率いる、「緻密でハードなんだけど、ポップで温かみもある、ボストンの世界を漫遊します」。


 オンエア曲
 01 夏の魔物(スピッツ)
 02 More Than a Feeling(Boston)
 03 Something About You(Boston)
 04 A Man I'll Never Be(Boston)
 05 Feelin’ Satisfied(Boston)
 06 Surrender to Me(Boston)
 07 ところで息子(森田公一とトップギャラン)


 漫遊前の一曲は、「夏の魔物」(1991年、1stアルバム『スピッツ』/1991年、2ndシングル/2017年、CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection』リマスター盤より)。
 スピッツはツアー中のため、かなり前にまとめて録音したけれど、「さすがにもう夏になったよね~」と予想して、この曲、だそうです。
 (ハイ、いろいろあるけれど、異常な暑さです。まだ梅雨明けしていないけどね。普通の夏の思い出ではないけれど、暑いけど不可思議に元気な若いころの夏に近づけてくれる曲。イントロだけで切なくなってくる。ボーカルの声と歌い方がうれしくなるくらい、恥ずかしくなるくらい若いなあ)

 最初の曲は、「当時、衝撃的だった」、Bostonの「More Than a Feeling 宇宙の彼方へ」(1976年、デビューアルバム『Boston 幻想飛行』)。
 ZO-3で歌ったリフは、ニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」の元ネタとも言われ、いろいろな人に影響を与えている。スピッツの「スパイダー」も「近い感じ。無意識のうちにだけど、オレもメチャメチャ影響を受けているという感じですかね」と。
 (メロディーと音の深淵が心に残る楽曲がやはり懐かしい。70年代はよく聴いていたなあ)
Boston - More Than A Feeling - 6/17/1979 - Giants Stadium (Official)


Bostonについて。
 1947年、アメリカ、オハイオ州生まれのトム・ショルツ。
 高校卒業後、アメリカの工業系大学の名門、マサチューセッツ工科大学に入学し、69年には博士号、70年には機械工学大学院修士を取得。
 卒業後はポラロイド社に就職し、プロダクトエンジニアになる。
 その後、工学の知識を生かし、自宅に多重録音のスタジオを作り、「夜な夜な、自分が理想とするサウンドを追及していた」。
 録音機器にとどまらず、アンプやエフェクターも「トムさん自分で作ったり改造したりしていた」。その後、開発したエフェクターで特許を取得したりしている。
 楽器もすべて演奏できるが、大学時代の仲間を募って、6曲のデモを作成。
 エピックソニーの重役へのデモ演奏のためにバンドを結成し、Bostonとしてデビュー。
 時代を先取りした「クリアなのにハードなサウンド」について、スマッシング・パンプキンズのメンバーも「Bostonに影響を受けていた」とどこかで述べていて、それが「すごく印象に残っていて、その後のグランジとかの音もBostonからの影響が強いと思います」。
 トムさん自身は、チャイコフスキーやラフマニノフなどのクラシック音楽、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジなどのロックギタリストからの影響を公言している。
 草野くんの印象では、「クイーンのブライアン・メイさん、オレの好きなミック・ロンソンさんのギターサウンドにも近いかなという気がするけど、もっとシャッキリしている。『濁りのない歪み』・・・と、ちょっと矛盾した言い方を使いますけど」と。
Boston - Don't Look Back (Official Video)
 (大ヒット曲!)


 次の曲も、「衝撃を与えたデビューアルバムから、「Something About You」(1976年、デビューアルバム『Boston 幻想飛行』)。
 彼自身が理系の人なので「理系ロック」などと呼ばれる。「たしかに緻密に計算された音作りとアレンジだが、楽曲自体は人間的な温もりを感じさせる」と。

 次の曲は、Bostonの「A Man I'll Never Be 遥かなる思い」(1978年、2ndアルバム『Don’t Look Back』)。
 草野くんがリアルタイムで最初に聴いたBostonの曲。
 78年年末のラジオ番組で「年間チャート」の20位以内に入っていた。ベストテン圏外の曲は駆け足でサビのところが流れるだけだったが、「それだけでメチャメチャはまった」。
 ZO-3でリフを演奏しつつ、「この下がっていく感じがスピッツっぽい・・・っていうか、オレが影響受けてるなあって感じなんですけど」。
 そして、この曲は「泣きメロの宝庫みたいな曲。この曲を聴くと、スピッツのかけらがいっぱい見つかるかもしれない」。
 当時、オフコースの「愛を止めないで」がちょっと似ていると言われていたそうです。
 そして、邦題の「遥かなる思い」は、当時の草野少年に『トム・ソーヤの冒険』や『ガンバの冒険』のようなイメージを抱かせ、ステキだなと思ったそうだ。「実際はフラれた男の歌」だそうです。
 (夜一人で聴いたら、しばしたたずんでしまうよね)
 曲終わりで、「A Man I'll Never Beをちゃんと訳すと、『そんな男にゃなれないよ』という感じでしょうか」。


 メッセージコーナー。
 リスナーさんのお父さんはタルトを見るたびに呪文のように「タルト タルト プリパラート」と口ずさんでいらしたけれど、それが何なのか、尋ねる前に亡くなってしまい、いろい調べてもわからず、リスナーさんもいつからか「タルト タルト プリパラート」と意味もわからずに口ずさむようになっていたそうだ。

 先日の「ちょっぴりタイムマシン」のコーナーで流れた中山千夏さんの「Zen Zen ブルース」の中の「タルコ タルコ ピリパラ♪」がまさにお父さんの口ずさんでいた「タルト タルト プリパラート」」だったようで、「父の呪文は、中山千夏さんの『Zen Zen ブルース』に決定」と。お父さんは中山千夏さんとほぼ同年代だそうです。
 長年もやもやしていたことがわかってスッキリしたそうで、「毎週聴いていてよかった」って。
 「よかったねー! オレもこういうのいただくとうれしい! もやもやを晴らすお手伝いができて、よかったです」と、マジで満足そうな草野くんでした。
 草野くんのもやもや、「ぼく、泣かないよー」のCMの正体(ココです)は、未だわからず、だそうです。

 「草野さんは、髪を染めようと思ったことはありますか」
 サザンの桑田さんは2003年のライブで、「今となっては、あれは幻だったのでは?と思うほどの茶髪だった」そうですが、「草野さんは寒色系が似合いそうです」と。
 「寒色系というのは、あれか? 青とか緑とか?」、(ん? 乗り気?)
 20歳のころ?脱色してオレンジにしていたこともある草野くん、「最近の若い人がピンクや水色に染めているのはかわいいなと思って見ています」と。
 Snow Manの佐久間くんのピンクは「キャラにも合っているし」、Awesome City ClubのPORINさんは「青い時期とかありましたよね」。
 「オレもどうせ染めるんだったら、ピンクとか水色とか黄緑とか、ちょっと生き物っぽくない色がいいかなと思いますけどね・・・」(ん? やりそう?) 「でも若くないので、髪質とか、無茶できないということもありますけどね」(やらないのか??)


 Bostonの魅力は、「ギターだけでなくベースラインもおもしろい」。
 基本的に、Bostonはトム・ショルツさんのワンマンプロジェクトなので、「彼がベースラインも考えていたと思われるが、動きが細かくて、ちょっとスピッツの田村のラインに近いかなというところもある」。
 ボーカルのブラッド・デルプさんの「エモーショナルだけど生真面目な歌唱もこのバンドの大きな個性になっている」。
 そして大事なのは、「美しいハーモニーによって、楽曲が壮大でメランコリックな感じになっている」こと。


 次の曲は、Bostonの「Feelin’ Satisfied」(1978年、2ndアルバム『Don’t Look Back』)。
 この曲も、「ロックンロールのAメロから、ハーモニー全開のロマンティックな讃美歌っぽいサビへの展開がすばらしいと思います」。
 (ベースラインのうねりもよく聴こえて、気持ちいい。気持ちが解放される心地よさがある。)


 中学生のころBostonにドはまりしていた草野くんは、Bostonみたいなサウンドのバンドはほかにないのかなと探したことがあった。「言ってみれば、ジェネリックBoston的なバンド?」
 近いと言われていたのが、KansasとかAsiaだが、「なんか違うんですよね。Bostonの代わりにならない」。
 どちらもそれぞれにいいバンドだけど、「決定的に泣きというか、メランコリックな要素が足りない」。
 そういうバンドよりも、ニール・ヤングの「Heart of Gold」やミッチェル・ポルナレフの「愛の休日」などのほうが、草野くんにとっては「Bostonに近かったのかもしれない」と。

 さて、Bostonは「1stアルバムと2ndアルバムはクオリティーが異様に高い。突出していて捨て曲がない」と。80年代も「いい曲はあって、3rdアルバムも捨てがたく」、94年にリリース4thのアルバムも「なかなかいい」。

 最後の曲は、その中から「Surrender to Me」(1994年、4thアルバム『Walk On』)。
 ハーモニーと美メロはBostonだなと思わせるが、初期にはない尖がったところもあって、草野くんの好きな楽曲。
 作曲は当時のベーシスト、デヴィッド・サイクス。


 特集の最後に。
 Bostonのレコードジャケットのイラストは、ロジャー・ホイスンさんの作品。「思春期の心をがっちりとらえるSFチックなもの」で、ちょうど日本での『スターウォーズ』や『宇宙戦艦ヤマト』のブームとダブって、「今でも2ndアルバムのLPサイズのジャケットを眺めながらその世界に没入してしまう」。
  

(1st、2ndしか聴いていないし、それは大事なLPだけど、それ以外も聴いてみたいと思っています。さすが、草野くんにとってのベーシックとあって、解説がいつも以上に深いし独創的だし、おもしろかったですね~)


 そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナーは、森田公一とトップギャランの「ところで息子」(1976年、コンピレーションアルバム『青春時代』)。
 (イントロは、「テイタム・オニール」)
 森田公一とトップギャランと言えば、すぐに思い浮かぶのは「青春時代」。「70代の方のカラオケ定番曲でしょうか」。草野くんには「町内会の温泉旅行の観光バスの中で親たちが大合唱していた記憶がある」そうです。
 この曲は、息子への性教育をどうしようかと戸惑っている父親をユーモラスに歌っている。
 でも「今の令和の感覚からすると、ちょっとキモいというか、昭和のおじさん的な聞こえ方をしてしまう。当時はお見合い結婚が主流で、親子間でジェネレーションギャップもあっただろうし」と。
 しかし、そういうキモいところも含めて、「大衆音楽の歴史資料としては貴重な一曲かな」。
 森田公一の歌唱は、「演技がお上手だから、すごいリアルで、ムズムズ感がクセになるというか、あえて共感性羞恥に浸りたくなる」。「曲はエッジがきいていて気持ちいいし、繰り返し聴いてしまう」と。
 (たしかに、昭和のおじさん・・・)


 来週は、【有名人がタイトルにある曲で漫遊記】です。

 スピッツで言えば、「テイタム・オニール」みたいな曲(・・・って、わかりやすい。これがイントロのヒントか?)。
 ロックでは結構多いそうだけど、「ナポレオンとかジンギスカンのような歴史上の人物ではなく、わりと最近のアーティストや役者の名前の入ったナンバーを洋楽邦楽混ぜ混ぜで」ということです。
 (あ、一曲、思いつきました(笑)。)


 「草野さん、九州のお醤油、ビックリしました」
  (甘いやつ?)



                              


 1987年7月17日は、当時﨑ちゃんとテツヤくんが在籍していた文化服装学院の夏祭りで、スピッツが初ライブを行った日。
 あれから、36年たった今も、すばらしく新鮮なニューアルバムを連れて、彼らはまさに全国を行脚中。
 今もそんなバンドのファンでいられて、なんて幸せなんだ。
 煽られず調子に乗らず(最近、コナンくんのおかげでちょっと調子に乗ってるらしいけど(笑))、柔軟に、でも限りなく頑固に・・・、これからも4人とスタッフで、スピッツストリートを歩いていってほしい。
 私も・・・、そう、ちょっとがんばろうかな。


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