<Profile>
瀬川正仁(映像ジャーナリスト)
ジャン・リュック・ゴダールの『気違いピエロ』を見て映画に憧れたのは中学時代。
大学卒業後、当時、唯一、助監督を採用していた日活撮影所に入所。
しかし、日本映画界はどん底の時代。夢と現実の落差に行き詰まりを感じていたとき、
たまたま出会ったタイ山岳民族のシンプルな暮らしにカルチャーショックを受け、
アジアの魅力にとり憑かれる。以来、フリーの映像作家として、
アジア文化、マイノリティー、教育などをテーマにドキュメンタリーを作り続けている。
作品に、『ミャンマー・チン・巨石をあげて名を遺せ』、『サマリア人3000年の祈り』、
『エチオピア・少年は牛の背を渡る』、『トルコ・巨大地下都市の謎』(以上NHK)、
『学校を元気にした教師バンド』(中京テレビ30周年記念番組)、などなど。
2003年より映像製作と平行し、ノンフィクションを執筆。
<主な著作>
2005年、「ヌサトゥンガラ島々紀行」(凱風社)
インドネシア、バリ島からティモール島にかけて浮かぶ小さな島々。
急速に世界が均質化してゆく中、多様な文化や考え方が共存することの大切さを噛みしめたい。
2007年、「ビルマとミャンマーのあいだ」(凱風社)
日本ではあまり知られていないビルマの真実を少数民族の状況を中心に描いた、
2008年、「老いて男はアジアをめざす-(バジリコ)」
すべてを使い捨てる時代。人間をも使い捨てる日本を脱出し、
熱帯アジアで暮らす日本人高齢者の赤裸々な現実を描いた。
2009年、「若者たち-夜間定時制高校から視えるニッポン(バジリコ)」
最後のセーフティネットである公教育の辺境、夜間定時制高校。
そこに通う若者たちの現実を9ヶ月に及ぶ取材と共に描いた。
2010年、「なぜ尾崎豊なのか。-明日が見えない今日を生きるために(バジリコ)」
26歳で夭折した天才シンガーソングライター尾崎豊。彼の残した詩から、
混迷する今を生きるメッセージを探る社会論。
2011年、「六〇歳から始める小さな」仕事(バジリコ)」
老人大国ニッポン。第二の人生をいかに豊かに生きるか?
28人の人生通して考える。
2011年、「アジアの辺境に学ぶ幸福の質(亜紀書房)」
これまでのアジア辺境取材を通じて感じた思いをぶつけた。
辺境の民、日本人の進むべき道。
2011年、「教育の豊かさ学校のチカラ――分かち合いの教室へ(岩波書店)」
すべての根源にある教育。その大切な教育をいかに良いものにしてゆくのか。
1年あまりに及ぶ取材を通じ、輝かしい成果を上げている教育現場を紹介する。