赤いハンカチ

夏草やつわものどもが夢のあと

▼ヴォーカル大好き<雨降りお月さん>

2017年06月22日 | ■芸能的なあまりに芸能的な弁証法

 

 

2017.05.29 横浜市 

 

 

 

> おい、かもめ。おめさんの夜勤バイトの時給って3000円くらいが??

それがよく分からないのだよ。仔細はおれを雇っている八丁堀の親分に聞いてみてくれ。雇用契約書には在る時払いの催促なしと書かれている。また65歳以上の被雇用者には古物半値の五割引と特記されている。で、その文意がよく分からずに口角泡を飛ばして親分に問いただしてみたのだがよするにそれは被雇用者おのおの方の解釈しだいでどうにでもなるとのことだった。元来おれはカネには執着しない性格で云われたとおりに一所懸命に働くタイプだからにゃ。それが親分に可愛がられている所以なりと忘年会の二次会ですっかりのんだくれた先輩が一緒に便所に行った帰りにおれのハゲ頭をなでてくれた。


> おい、かもめ。ふんなら余裕でカラオケスナックにいげるべや!!(爆)

カラオケスナックというものは最近は大嫌いになった。だいたい一部屋しかない。舞台なんぞをしつらえてゴテゴテと仰山に飾り立てているものだから昭和時代からのなじみの年寄りたちの常連客の一団しか出入りしていないようだよ。何度か入ったのだが次は何の歌を歌いますかといちいちママさんが聞いてくる。これがうるさい。こっちが一曲歌い終わるたびに心にもないお世辞を言ってくる。お上手ですねぇ~と。これが気持ち悪い。声楽と音楽の王道には決してふさわしくないと気がつき以後カラオケスナックには入らないことにしたのであったのだった。

そこにいくと、カラオケボックスは、一人きりで自由だ。歌おうと歌うまいと、マイクを使用しようと、すまいと歌わずに新聞を読んで過ごそうと勝手だ。昼間なら時給300円というところだな。夜勤ともなれば、倍の時給が課せられる。おれも最近は年をとりなにかと衰えてきた、それで他にやることもなく連日のようにカラオケボックスに通っているのだが楽器の練習をするためにカラオケボックスを使っている若者がきているね。

以前から何度かみかけた高校生らしい娘さんは今日もまたバイオリンケースをかついで受付にいたし、別のある男性はフルートを持ち込んでいた。アコースティックギターはもちろん何度もみかけたしエレキギターはないだろうと思っていたが、これも見たことがある。その他、オーボエ、ホルンなども見た。これは歌といえば演歌とのど自慢大会ぐらいしか思いつかないような旧態依然たる厚化粧のスナックママの音楽観では決しておっつくことのできないカラオケの最新事情なりけりよっと。

 

> ばかもめカラオケ店を破壊 逮捕の報

さすがに逮捕まではいかないが、この間のカラオケ店との交情を通して拙者の場合だいぶおかしなカラオケおじさんであることは店員諸君にも周知されてきたらしい。まっ、それらいろいろあるなかでいろいろとありはありながらいずれカラオケ店員の主観的範囲なのであり、こちとら店内ルールを守っている以上なんの文句もつけられないことはゆめゆめ承知の介なり。

ふんで今日は、いつものように30人収容のパーティー・ルームを所望した。あいていさえすれば貸してくれるのが当店の良心だ。店員が云ふ。今日は日曜日のことですし、この後込み合ってきますから、あなた様にお貸しできるのは、一時間だけですと宣言せり。もとより承知一時間あれば十曲は歌える。

この部屋は和室仕立てだからソファやらその他ふわふわした物がなく自分の声が生の反響に生まれ変わり耳にも心地よくマイクなしでも声がよく聞き取れてそれが音楽的自己満足をいっそうに誘ってくれる。当ボックスが空いてなければ「あっそうですか」と帰る算段。ふんで今日拙者が歌うたカラオケ歌曲は以下の九曲なり。

 


●雨降りお月さん

●湖畔の宿

●雨のブルース

●別れのブルース

●マロニエの木陰

●勘太郎月夜唄

●街のサンドイッチマン

●サンタルチア

●ともしび

 

 

だいたい、歌謡曲というものは、同じ曲想で三番までの歌詞がそろえられている。思うに物覚えがわるい拙者のばあい。なかなか歌詞を空では覚えられないのである。

現在までのところ、三番まで空で覚えた歌とはいってもほんの数曲のことなれば、とくに気に入って空でごくごく最近覚えた歌が大正14年、作曲:中山晋平 作詞:野口雨情の「雨降りお月さん」である。当歌は二番までしかない。それが記憶に奏功したのかもしれないが、なんと、当歌は一番と二番のメロディーが異なっているのであったのだった。あせ あせ。それにしても名曲である。詞にも曲にも哀歓とユーモアが満ち溢れている。

 

雨降りお月さん 雲の陰

お嫁に行くときゃ 誰といく

一人でからかささして行く

からかさないときゃ 誰といく

シャラシャラシャンシャン 鈴つけた

お馬にゆられて ぬれてゆく

 

いそがにゃ お馬よ 夜が明けよ

手綱のしたから ちょいと見やりゃ

お袖でお顔をかくしてる

お袖はぬれても干しゃ乾く

雨降りお月さん 雲の陰

お馬にゆられて ぬれてゆく

 

 

 

 

 

 2017.06.07 横浜市

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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