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34.片麻痺による運動障害

2011-05-17 02:59:08 | 日記

34.片麻痺による運動障害

片麻痺による運動障害
1 症状が生じる病態生理
1.片麻痺とは
片麻痺は,半側の上下肢が麻痺したものをいう。片麻痺の種類によっては半側の顔面に麻痺を生じる場合もある。種類として,大脳性片麻痺,交代性片麻痺,交叉性片麻痺,脊髄性片麻痺があげられる。
2.片麻痺のメカニズム
随意運動の経路は,①大脳皮質の運動中枢⇒②内包⇒③脳幹(大脳脚→橋底部→延髄錐体交叉)⇒④脊髄前角⇒⑤末梢運動神経線維⇒⑥神経筋接合部⇒⑦筋線維,とされている[図1]。この運動中枢から筋線維に至る運動系の経路のいずれかに障害が生じることにより,四肢などの身体部分を随意的に動かすことのできない状態を運動麻痺という。このうち,身体の半側の上下肢にみられる運動麻痺を片麻痺という。
3.片麻痺の分類と原因[図2]
運動麻痺は,障害部位により特徴的なパターンをとる。
片麻痺も次のように分けることができる。
1)大脳性片麻痺
大脳に由来する麻痺である。大脳の中心前回の上3分の1には下肢,中央3分の1には上肢,下3分の1には顔面の運動中枢が存在している。大脳から出た神経線維は内包を通り,脳幹の延髄で大部分の線維は左右に交叉する。したがって,大脳に由来する麻痺は,障害と反対側の上下肢および顔面に現れる。
2)交代性片麻痺
脳幹部に由来する麻痺である。脳幹部は交叉前の錐体路が下降するとともに左右12対の脳神経核がある。したがって,脳幹部に由来する麻痺は,障害と反対.側の上下肢麻痺と,障害と同側の脳神経麻痺(顔面や眼球運動の麻痺)がみられる。
また,脳幹の中心部には意識に関与する網様体という構造がある。この部位の障筈により意識障害が起こる。
3)交叉性片麻痺
延髄脊髄移行部から第二頸髄に由来する麻痺である。
上肢と下肢に向かう運動性神経線維の交叉する位置(錐体交叉)は異なっていて,上肢のほうが高位で交叉する。延髄脊髄移行部から第二頸髄の片側の病巣では,交叉した後の上肢の運動線維と,交叉する前の下肢の運動線維が同時に障害を受けることがある。そのために,障害と同側の上肢と反対側の下肢に麻痺がみられる。
4)脊髄性片麻痺
頸髄に由来する麻痺である。頸髄は錐体交叉よりも低位であるため,頸髄に由来する運動麻痺は,脳の場合と異なり障害と同側の上下肢に麻痺が現れる。脳性の片麻痺とは違い,顔面の障害を伴わず,温度覚,痛覚障害が麻痺..

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