俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

10月1日(月)

2018-10-01 09:33:25 | 梅林
font size="3">★藤袴スカイツリーのいや真直ぐ  正子
古来より親しまれた秋の七草と、時代の最先端のタワーとの対照的な存在感ながら、秋空のもと美しく爽やかな景観です。淡紫色の小花の藤袴と空へ真っ直ぐ伸びる巨大なスカイツリーが新鮮に目に映り、風景の広がりを感じさせてくれます。(藤田洋子)

○今日の俳句
幾重にも石積みの畑秋高し/藤田洋子
段々畑は、石を積み上げて猫の額ほどの畑を山頂へと幾段も作った。作物にやる水も下から桶で運びあげねばならず、日本の零細農業の象徴のような存在だが、その景観は美しい。秋空を背にして山頂までの石垣がまぶしい。(高橋正子)

●台風一過、青空が広がる。今朝、ベランダに朝顔と、ラベンダーの鉢が倒れていた。玄関は、外からは5メートルほどあるのに水が溜まっている。雨が吹き込んだ模様。台風の残した空気のせいで、今日は30C°になる。



○現の証拠(げんのしょうこ)

[げんのしょうこ/横浜・四季の森公園]   [げんのしょうこ/東京・向島百花園]

★うちかヾみげんのしょうこの花を見る/高浜虚子
★山の日がげんのしょうこの花に倦む/長谷川素逝
★手にしたるげんのしょうこを萎れしめ/加藤楸邨
★草掻き分けてげんのしょうこの花がある/高橋信之

★十月のげんのしょうこは可愛ゆしと/高橋正子
げんのしょうこは、ドクダミ、センブリなどの日本の3大民間薬として用いられる。戦後の四国に居たときのことだが、げんのしょうこを近くの空地などで採取、乾燥し、煎じて飲んだ。下痢の症状に効果があって、これも60年以上も昔の懐かしい思い出なのだが、その美しい花を見た記憶がない。げんのしょうこを「可愛ゆし」と見た率直な実感がいい。(高橋信之)

 ゲンノショウコ(現の証拠 Geranium thunbergii)は、フウロソウ科の多年草。日本では北海道の草地や本州~九州の山野、また朝鮮半島、中国大陸などに自生する。生薬のひとつであり、植物名は「(胃腸に)実際に効く証拠」を意味する。玄草(げんそう)ともいう。茎は約30-40cmに伸び、葉は掌状に分かれる。紅紫色または白紫色の花は夏に開花し、花弁は5枚(紅紫花種は西日本に、白紫花種は東日本に多く見られる)。秋に種子を飛散させた後で果柄を立てた様が神輿のように見える事から、ミコシグサとも呼ばれる。近い仲間にアメリカフウロ、老鶴草などがある。
 ゲンノショウコはドクダミ、センブリなどと共に、日本の民間薬の代表格である。江戸時代から民間薬として用いられるようになり、『本草綱目啓蒙』(1803年)にも取り上げられた。現代の日本薬局方にも「ゲンノショウコ」として見える。但し、伝統的な漢方方剤(漢方薬)では用いない。有効成分はタンニン。根・茎・葉・花などを干し煎じて下痢止めや胃薬とし、また茶としても飲用する。飲み過ぎても便秘を引き起こしたりせず、優秀な整腸生薬であることからイシャイラズ(医者いらず)、タチマチグサ(たちまち草)などの異名も持つ。

生活する花たち「野菊・藤袴・萩」(東京・向島百花園)
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