俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

9月24日(木)

2015-09-24 09:30:51 | 日記
★山萩を黄蝶をわが目に遊ばせる  正子
草冠に秋と書いて萩と読ませる。昔の人にとっては萩は秋を象徴する花だったのでしょうか。そんな萩も山萩となるとそんなに目立つ花ではなく地味な感じとなる。そこへ秋の黄色の蝶が飛来する。「わが目に遊ばせる」の主語は何かと考える。秋をつかさどる自然の神かと思って読みました。豊かな秋に対する喜びと自然に対する感謝とも読み取れる句である。(古田敬二)

○今日の俳句
 書道展
秋の字が黒々生まれる太い筆/古田敬二
墨痕の鮮やかさが一番引き立つのは季節でいえば、秋ではなかろうか。太筆で黒々と書かれた字が力を得ている。(高橋正子)

○杜鵑草(ほととぎす)

[杜鵑草/横浜日吉本町]           [ヤマホトトギス/東京白金台・国立自然教育園]

★杜鵑草暮れ母の忌の仏間暮る/林 翔
★時鳥草顔冷ゆるまで跼(セグク)みもし/岸田稚魚
★紫の斑の賑はしや杜鵑草/轡田 進
★杜鵑草壺中にくらき水湛う/養学登志子

「杜鵑」は鳥のほととぎす。「杜鵑草」と書けば、植物のほととぎすである。我が家の庭の下草に植えていた。なかなか丈夫で秋になると赤紫の班がある花をつける。暗いようでもあり、にぎやかなようでもある。玄関に花がない日には、この花を一茎摘んで籠に挿した。それだけで結構様になる。庭や近くの野辺の一輪の花が空間にうるおいを与えてくれた。杜鵑草もそんな花のひとつである。

★活けたれば花が飛びたる杜鵑草/高橋正子

 ホトトギス属(杜鵑草属、学名 Tricyrtis)は、ユリ科植物の属の多年生草本植物である。山野の林下や林縁、崖や傾斜地などの、日当たりの弱いところに自生する。葉は互生し、楕円形で長く、葉脈は縦方向で、表面には毛が生える。花期は初夏から秋にかけてで、雌雄同花で上向きに咲き、花弁が 6枚で直径数cm程度のもので 2〜4日程度咲くことが多い。東アジア(日本、台湾、朝鮮半島)に分布し、19種が確認されている。そのうち日本では 13種(変種を除く)が確認されており、うち 10種は日本固有種である。 日本列島を中心に分布していることから、日本が原産であると推定されている。
 ホトトギス Tricyrtis hirta (Thunb.) Hook 代表種。草丈は 1m になり、花は葉腋に 1〜3個ずつ付き、4日間咲く。花期は秋。関東・新潟県以西に分布する。 ヤマホトトギス Tricyrtis macropoda Miq. 関東以西の太平洋側および長野県に分布し、草丈は 1m ほどになる。花は 2日間で、茎の先に花序を伸ばし、晩夏に咲く。花びらの折れたところに斑紋が入らず、花びらが反り返るところで判別できる。


ムベ(郁子、野木瓜、学名:Stauntonia hexaphylla)は、アケビ科ムベ属の常緑つる性木本植物。別名、トキワアケビ(常葉通草)。方言名はグベ(長崎県諫早地方)、フユビ(島根県隠岐郡)、イノチナガ、コッコなど。
日本の本州関東以西、台湾、中国に生える。柄のある3~7枚の小葉からなる掌状複葉。小葉の葉身は厚い革質で、深緑で艶があり、裏側はやや色が薄い。裏面には、特徴的な網状の葉脈を見ることが出来る。
花期は5月。花には雌雄があり、芳香を発し、花冠は薄い黄色で細長く、剥いたバナナの皮のようでアケビの花とは趣が異なる。
10月に5~7cmの果実が赤紫に熟す。この果実は同じ科のアケビに似ているが、果皮はアケビに比べると薄く柔らかく、心皮の縫合線に沿って裂けることはない。果皮の内側には、乳白色の非常に固い層がある。その内側に、胎座に由来する半透明の果肉をまとった小さな黒い種子が多数あり、その間には甘い果汁が満たされている。果肉も甘いが種にしっかり着いており、種子をより分けて食べるのは難しい。自然状態ではニホンザルが好んで食べ、種子散布に寄与しているようである。
主に盆栽や日陰棚にしたてる。食用となる。日本では伝統的に果樹として重んじられ、宮中に献上する習慣もあった。 しかしアケビ等に比較して果実が小さく、果肉も甘いが食べにくいので、商業的価値はほとんどない。
茎や根は野木瓜(やもっか)という生薬で利尿剤となる。


◇生活する花たち「露草・なんばんぎせる・玉珊瑚(たまさんご)」(東京白金台・自然教育園)

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