俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

2月27日(金)

2015-02-27 10:15:54 | 日記
★天城越ゆ春の夕日の杉間より   正子
修善寺から下田を結ぶ天城峠を超えると春の柔らかな日差しが沢山の杉の木の間から射し込み、のんびりと穏やかな気持ちになりますね。とっても春らしい素敵な句だと思います。(小口泰與)

○今日の俳句
ほつほつと梅のふふむや水ゆたか/小口泰與
雪解け水や雨で水嵩の増えた川。ちょうどその季節梅の蕾がほころび始める。「水ゆたか」に季節をよく詠わせている。(高橋正子)

○白梅

[白梅/横浜・大倉山公園梅林]

○俳句

★梅白しきのふや鶴をぬすまれし 芭蕉
修善寺梅林
★紅梅がかすみ白梅がかすみ/高橋正子

○大倉山公園梅林/横浜市港北区大倉山二丁目(東急東横線の大倉山駅北)

 梅林の最盛期は昭和12年頃であるらしく、当時は白梅を中心に14種1,000本を越える規模であったという。第二次大戦中には燃料用のたきぎとして伐採され、また食料不足のためにイモ畑に転用されるなどしたらしいが、戦後昭和25年頃から昭和40年頃には、再び盛大に梅祭りが行われるなどして賑わったという。その後、施設の老朽化などが目立ってきた梅林を横浜市が東京急行電鉄から昭和62年に買収、施設の整備や梅の木の増植などを行って現在に至っている。現在は面積1.1ヘクタールの敷地に紅梅白梅合わせて約20種150本が植えられているということだ。
 東急東横線の大倉山駅を北に出て、線路沿いの坂道を綱島方面へと登り、大倉山記念館の傍らを抜けてゆくと、ひとやま越えるような感じで梅林に辿り着く。大倉山公園は丘陵に位置しているが、梅林はその中の窪地にあって周囲を閉ざされており、それが山里のような印象を伴っていてなかなか良い風情がある。梅林に降りて行き、散策路沿いに梅を楽しむのももちろん良いものだが、周囲の高みから見下ろす梅林の風情も素晴らしい。
 梅の木にはそれぞれ品種の名を示すプレートが付けられており、特に品種などに興味がなくともついその名を確かめてしまう。なかなかの老木らしき梅も少なくなく、地を這うように幹を伸ばした梅や、端正な立ち姿で気品すら漂うような梅の木など、それぞれに見応えのある梅が立ち並んでいる。ゆっくりのんびりと一本一本を鑑賞しつつ歩きたい梅林だ。
 梅の名所としてよく知られているだけあって観梅客も多い。お昼時にはお弁当を広げる人も少なくなく、大きなシートを広げて宴会を催すグループの姿もある。園内には池や四阿などもあり、トイレも設置してあるので、早春の一日をのんびりと過ごすのに良い場所だろう。梅林のすぐ北側には龍松院という小机の雲松院の末寺にあたる寺もあり、興味のある人は立ち寄るのも良いかもしれない。梅の花の盛りとなる2月下旬にはさまざまなイベントも開催されるようなので、お祭り的に楽しみたい人はそれらの開催予定を調べて、それに合わせて訪れるのも良いだろう。

▼公園探訪/横浜線沿線散歩:
http://www.natsuzora.com/may/park/okurayama_ume.html


◇生活する花たち「節分草・蒲の穂絮・榛の花」(東京白金台・自然教育園)
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