俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

12月25日(水)

2013-12-25 07:05:13 | Weblog
★山中に鵯鳴きわが身まっ二つ  正子
鵯は日本に住む野鳥で、外国のバードウォッチャーには魅力のある鳥だそうです。その鳴き声は時に鋭く、時にはつぶやくような穏やかである。鋭く鳴くのはたぶんに警告の時ではないかと思う。渾身の力を込めて群れの仲間たちに呼びかけて鳴く、その有様を「わが身まっ二つ」とはよく表現したものであると感服してしまう。(古田敬二)

○今日の俳句
冠雪の富士山遠く旅の空/古田敬二
冠雪の富士山を遠くに見て、いよいよ日本を離れる旅の空にいる。海外の旅に出るとき、富士山を目に収めたいのは大方の人であろう。(高橋正子)

○ミモザの花蕾

[ミモザの蕾/横浜日吉本町]  [ミモザの花と蕾/横浜日吉本町]

★邂逅やミモザ咲く坂上りつつ/草間時彦
★教会の仰げばミモザの花たわわ/戸田菜穂
★狭くなく広くもなき庭ミモザ咲く/竹酔郎
★教会へ続く坂道ミモザ咲く/浜元さざ波

葉に刺激を与えると古代ギリシアの身振り劇ミモス"mimos"(マイム、パントマイムの前身)のように動くことからこの名がついた。ラテン語本来の発音はミモサ、英語発音はマモゥサあるいはマイモゥサとなり、日本語のミモザはフランス語発音に由来する。ここから以下のような転用により語義が広がっている。
オジギソウ(本来のミモザ)。 フサアカシア(ミモザ)は、マメ科オジギソウ属の植物の総称(オジギソウ属のラテン語名およびそれに由来する学名がMimosa)。フサアカシア、ギンヨウアカシアなどのマメ科アカシア属花卉の俗称。イギリスで、南フランスから輸入されるフサアカシアの切花を"mimosa"と呼んだ事から。アカシア属の葉は、オジギソウ属の葉によく似るが、触れても動かない。しかし花はオジギソウ属の花と類似したポンポン状の形態であることから誤用された。今日の日本ではこの用例がむしろ主流である。


◇生活する花たち「椿・野葡萄・くこ」(横浜市都筑区東山田)
コメント (1)
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