俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

1月25日(金)

2013-01-25 19:13:02 | Weblog
★波立てば鴨の勇みて泳ぎけり   正子

○今日の俳句
耳よぎる風に音なき枯野かな/桑本 栄太郎
風はものに当たって音を立てる。広い枯野に立てば、風は耳元をよぎるだけで、音は聞こえない。枯野の広さ、さびしさが自然と一体となって詠まれている。(高橋正子)

○花冠3月号校了
花冠3月号の発行日は、3月1日だが、印刷・製本が出来上がるのは、2月上旬となる。
http://kakan.info/km/k1303.pdf

○手袋
★雪白の手袋の手よ善きことを為せ/中村草田男
★手袋に手を入れ五指を広げみる/高橋正子

冬の生活に身近なもの。布や毛糸、皮で作られ、防寒・保温のために手指を包む。手袋をはめて手を広げてみることがある。てぶくろの模様とか、指の長さとかがよく見える。私が小学生のころ、中学生や高校生は自分の手袋、マフラーは自分で編んでいた。マフラーは小学生でも編めるが、手袋はちょっとむずかしい。バスで10分ほどのところに母の実家があって、そこに高校生の従姉がいた。冬休みにゆくと、残り毛糸をいろいろ取り出してミトンを編んでくれたことがあった。親指ができるのがなんとも不思議だった。できたミトンは二つが離れないように、紐がつけられて、首にかけられるようになった。手袋って、ふたつが離れやすい。

○ミモザの花蕾

[ミモザの蕾/横浜日吉本町]  [ミモザの花と蕾/横浜日吉本町]

★邂逅やミモザ咲く坂上りつつ/草間時彦
★教会の仰げばミモザの花たわわ/戸田菜穂
★狭くなく広くもなき庭ミモザ咲く/竹酔郎
★教会へ続く坂道ミモザ咲く/浜元さざ波

葉に刺激を与えると古代ギリシアの身振り劇ミモス"mimos"(マイム、パントマイムの前身)のように動くことからこの名がついた。ラテン語本来の発音はミモサ、英語発音はマモゥサあるいはマイモゥサとなり、日本語のミモザはフランス語発音に由来する。ここから以下のような転用により語義が広がっている。
オジギソウ(本来のミモザ)。 フサアカシア(ミモザ)は、マメ科オジギソウ属の植物の総称(オジギソウ属のラテン語名およびそれに由来する学名がMimosa)。フサアカシア、ギンヨウアカシアなどのマメ科アカシア属花卉の俗称。イギリスで、南フランスから輸入されるフサアカシアの切花を"mimosa"と呼んだ事から。アカシア属の葉は、オジギソウ属の葉によく似るが、触れても動かない。しかし花はオジギソウ属の花と類似したポンポン状の形態であることから誤用された。今日の日本ではこの用例がむしろ主流である。


◇生活する花たち「獅子頭(寒椿)・素心蝋梅・老鴉柿(ロウヤガキ)」(東京・小石川植物園)
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする