葛桜
高橋正子
青楓そよぎて闇がそよぎたり
朝顔の双葉数えて月が差し
葛桜真昼の風の澄むところ
紫陽花も屋根もあかるき月の下
ベランダのトマトの青き香に浸る
さくらんぼみどりあかるき茎が縦横
夏至の雨つらつら糸のごとく降り
蜜豆に夜の会話の間がありぬ
水無月の夜雨の音の弾みたり
七夕の笹の飾りも活けてあり
昼顔の咲き上るあり木曜日
高橋正子
青楓そよぎて闇がそよぎたり
朝顔の双葉数えて月が差し
葛桜真昼の風の澄むところ
紫陽花も屋根もあかるき月の下
ベランダのトマトの青き香に浸る
さくらんぼみどりあかるき茎が縦横
夏至の雨つらつら糸のごとく降り
蜜豆に夜の会話の間がありぬ
水無月の夜雨の音の弾みたり
七夕の笹の飾りも活けてあり
昼顔の咲き上るあり木曜日