梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

逍遥に過ごす(その2)

2017年01月21日 09時47分33秒 | Weblog

その映画館のホームページで上映時間を事前にチェックしたのですが、私が見間違いをしたのか、10時20分からは『健さん』を上映、肝心の『浅草・筑波の喜久次郎』は午後2時からが初回であると説明を受けました。

正月の7日まで、二つの上映場でそれぞれの映画を流していたのを、翌8日からは同じ上映場で、午前中は『健さん』を午後からは『浅草・筑波の喜久次郎』を上映し出したようです。その係りの人には、遥々遠いところから来た私達の心境を伝えました。

10時の時点では、私達二人の他に誰もお客さんは入って来ません。すると係りの人から、何と「10時20分に、健さんを観に来るお客さんがなければ、喜久次郎を上映してもいいですけど」。ローカルの映画館でなければ出て来ない言葉でしょう。

仕方なく1階の駐車場の車の中で待っていますと、わざわざ2階からその係員は降りて来てくれて、「残念ながら、健さんを観に来たお客さんが数名いました」。一人の係員のホットな対応に、とても感動しました。

午後2時まで、どこかで時間を潰してその映画を観る選択肢もありました。しかし当日は、夕方から北関東は雪が降るかもしれないとの天気予報でした。この日この映画とは縁が無かったと、私達は帰ることに決めました。

往路は常磐高速道で来ました。帰りは未だ時間もあるし一般道で帰ってみよう思い、土浦の市街を抜けて間もなくすると国道6号線に入りました。荒川沖、牛久、渋滞も無く進み、FM放送からはオーケストラ演奏のワルツの特集が聴こえて来ます。

時間の制約もない、こんなドライブも悪くありません。牛久と言えばうなぎ。国道沿いには何軒かうなぎの専門レストランもありましたが、時間は未だ11時前。そこで待ってうなぎを食べる選択肢もありましたが、淡々と車を進めてみました。

取手から利根川を渡ると我孫子、もう千葉県です。遠くの目的地に行くとか時間が無い時とか、ついつい高速を使ってしまいますが、混んでなければ一般道は、街並みも見られて結構楽しいものです。家内とは普段話せない話題にもなります。

我孫子で国道6線からそれて手賀沼に出れば、普段自宅市川から車で来ている風景です。前々から気になっていたうなぎ屋さんに、初めて入ってみました。老夫婦だけでやっている店でしたが、うなぎはとても美味しく、奥さんの接待も気持ちの良いものでした。慣れた道を通り、午後の早い時間帯に自宅に戻ることが出来ました。

ここまで来たのだから、もったいないと無理に物事を進める。自分の我を通す為に、強引に帳尻を合わせる。自分を捨てることは難しいことではあります。でもそれは心のゆとりを失う事でもあり、本質が見えないかもしれません。

無理を通さない、こだわらない、自然に委ねてみる。逍遥と過ごす。今回を通して感じたことです。
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