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米国の会社合併の種類(3)

2024-08-14 | 会社設立

続きましょう~~

 

  1. 株式交換

 

一部の州では模範会社法 (2016) の先例に従って、株式交換が根本的な組織変更であると認められています。これは、前半部分で説明した逆三角合併の代替です。株式交換という名称ですが、名称と違って株式交換を行うことではなく、強制的に株式の売却を強制させる手段です。株式交換により、対象会社 (T 社) の株主が買収会社 (A 社) に株式の売却を行わざるを得ないです。その結果、A 社は T 社の全ての株式を取得し、T 社の株主は現金またはその他の財産に両替します。

 

株式交換は対象会社のみにとって根本的な組織変更となるので、標準的な手順に従って承認を得る必要があります。承認を得た場合、すべての株主は(株式交換取引に反対した株主も含めて)株式交換の契約条件に則って株式を放棄しなければなりません。対象会社の反対株主は、評価権を主張することができます。しかし、株式交換では買収会社側には根本的な組織変更がないため、買収会社の株主はこの取引について投票が不要で、評価権を主張することもできません。

 

  1. 合併における信託問題

 

他の根本的な組織変更と同様、会社合併は少数株主を抑圧するために悪用されることがあります。

 

たとえば、X、Y、Z は XYZ会社の株主であり、それぞれが株式の 3 分の 1 を保有しています。意見の相違が発生し、X と Y は、XYZ 会社を2人が所有しているXY 会社への合併に働きかけました。 X、Y、Z は合併条件に基づいて現金を取得することになりました。 その結果、X と Y は、旧XYZ 会社 を合併したXY 会社を経営することになりました。一方、Z は運が悪くて株式の持分を失い現金しかゲットできませんでした。

 

しかし、この場合、Z には法定の評価権があり、その権利に基づき、 Z は会社に対し、公正価値で自分の持分を買収してもらうことが可能です。その価格はキャッシュアウト合併価格よりも高いかもしれません。他の州では、合併取引に詐欺や脅迫がある場合、Z は訴訟を起こすことができます。

 

参照:

[1] Richard D. Freer. The law of corporations in a nutshell. West Pub. Co, 2020.

 

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