潮は、緩い上り潮が、北東に流れている。
昨日の様な、激流の二枚潮ではない。
二枚潮は解消していて、釣りがし易く変化している。
ベイト反応の様子を見ながら、船を流していく。
「来た。来ました」
横山さんが、朝一番にアタリを捕らえた。
竿が綺麗に弧を描き、やり取りが楽しそうだ。
「抵抗が凄いですか」
「結構な引きが有りますね」
やがて、真鰺が見えてきた。
上がってきたのは、45センチの大きな真鰺。
「今年初めての、45センチクラスの真鰺ですね」
魚の長さを測って、思わず笑顔になる。
旭先生にも、アタリが来た。
上がってきたのは、オキアジだった。
旭先生の朝間詰めは、好調だった。
35~40センチの真鰺が、連続ヒットしてきた。
横山さんにも、アタリが連続してきた。
太った鯖に、チカメキントキがヒットしてきた。
「この赤い魚は、目が綺麗ですね」と、嬉しそう。
横山さんには、この後、大アタリが来る。
「来ました。これは、大きいです」
アタリと同時に、竿先が海面に突っ込む。
「これは、青物ですね」
「ゆっくり、行くよ」
鯛ラバの仕掛けだけに、切れないかと、ハラハラドキドキしてきた。
重量感タップリのやり取りは、見ていて緊張感が伝わってくる。
ラインの張り具合から、獲物が海底を走っているのが分かる。
なかなか、浮き上がろうとしてこない。
40分近くの攻防を見せていたが、8号のリーダーが切られた。
「あーっ…残念…」
切られた以上は、気持ちを切り替えるしか無い。
「口惜しいな…」
その思いは、充分に伝わってくる。
仕掛けを作り替えると、直ぐにアタリが来た。
良型の真鰺。
旭先生にもアタリが来た。
これも、良型の真鰺だ。
船首で頑張っている、金丸(真)さんにも、アタリが来た。
初卸しのジギングロッドにリール。
「何か、釣りたいです」の想いが実の神様に伝わった様だ。
獲物が見えてきた。
「真鯛だ」
良型の綺麗な真鯛が、上がってきた。
「これで、釣果のある竿になったね」と、笑顔が満開。
真鰺も、ヒットしてきた。
体高の有る、良型の真鰺だ。
昼近くになると、潮が段々と速くなってきた。
「流れが、1ノットを超してきました」
「着底が、取り辛くなってきました」
仕掛けが流される。
少しずつ、浅いポイントに移動していく。
旭先生にアタリ。
レンコダイが、ヒットしてきた。
横山さんには、真鰺がヒットしてきた。
魚探にベイトの反応が出てくれば、真鰺の群のようだ。
「よっしゃ、今から頑張るぞ」
そう思ったとき、雷の音が「ゴロゴロ」と聞こえてきた。
山手に、黒い雨雲が出ている。
仲間から「雷雲が来るよ」と、危険を知らせる連絡が入った。
「今日も、昼からは天気が崩れるのか」
最近の天気は、安定しない。
雨雲レーダーを確認し、引き上げを決定した。