午前中は、無風ベタ凪の海だった。
「ぬきー、涼しく感じる風が吹いて欲しい」と、思いたくなるくらいだ。
昼前からは、一転して時化気味の海。
いつもの定時の10時頃から、南東の風がそよそよと吹き始め、昼頃には波が立ち始めた。
原さんの今日の釣りは、真鯛からスタート。
仕掛けを入れて、ホール中にヒットしてきた。
食べ頃サイズの、良い真鯛だ。
真鯛のスタートに、原さんも笑顔が出る。
次の移動先を何処にするか、二人で話しながら水島方面に行くことにした。
ポイントに入り、魚探でベイトの様子を見る。
「居ませんね」
「何処かに居ないかな」
自分の感を信じて、瀬周りを探す。
「居ました。良い感じのベイト反応です」
原さんが、仕掛けを入れていく。
アタリは、直ぐに来た。
2キロクラスのニベと、40センチ超の真鰺が連続ヒット。
「真鰺も此くらいあると、嬉しいですね」
取り敢えず、生け簀に入れて生かしておく。
丸まるとした、鯖もヒットしてきた。
「鯖は、生き餌に使いましょう」と、これも生け簀に入れる。
次のポイントに移動する。
次のポイントと言っても、沈み瀬ではなく、ベイト反応のあるところ。
原さんに、強いアタリが来た。
良い感じの引きを楽しみながら、巻き上げていく。
「大きなタモを用意しました」
「多分、いつもので大丈夫だと思います」
上がってきたのは、5キロクラスのニベだった。
「今日は、ニベ祭りかな」
と、笑顔が楽しそう。
このころは、脳竿間際のハプニングは、想像していない。
アラの出そうなところを、周りながら大物仕掛けで攻めていく。
しかし、南東の風が徐々に強くなり、時折、船が大きく揺れる。
「帰りましょうか」
と、船のエンジンを掛けようとした。
キュルキュル…、エンジンが掛からない。
原さんが、バッテリーを見て「緑ランプが黒に変わっています」と、言われた。
「えっ、そんな…さっきまで走っていたじゃない…」
夏の暑さによる、バッテリー上がりかな…。
とんだハブニンク発生だ。
大磯先輩や、仲間達に連絡して、助けに来ていただいた。
「バッテリーを繋ごうか」
バッテリーケーブルで、繋ぐと直ぐにエンジンスタート。
「おおっ、良かった。ホッとした」
思わぬハプニングに慌てた自分も、エンジンが掛かってホッとした。
「バッテリーを新しく買い換えます」
考えたら、船を買って6年間、一度もバッテリーを取り替えていない。
港に帰って、原さんと一緒にバッテリーを買いに行った。
10月4日に、ドックにあげる時に見てみようと、思っていた自分が甘かったようだ。
バッテリー取り替えも、原さんが手伝っていただいた。
原さん、ありがとうございました。
困ったときに、直ぐに助けに来て頂いた、大磯先輩ありがとうございました。
心配して、船を出して様子を見に来て頂いた倉爪先輩、汐元さん、ありがとうございました。
船の手入れは、もっとこまめにしよう。