オリンパス社長解任事件の英フィナンシャル・タイムズ紙による続報。
前社長は、解任直前まで、減損テストの実施を求めていたそうです。
「ウッドフォード前社長は、フィナンシャル・タイムズ紙の取材に対し、「インペアメント(減損)テスト」と呼ばれる資産の現在価値の再評価をこの数週間強く求め続けていたと述べた。
同氏の危惧は、一連の買収後、(企業買収費用と有形固定資産の差額に当たる)のれん代を含むいわゆる無形固定資産が帳簿上で大量に膨らんだことにあった。
また、買収に関連する無形固定資産の公示価格にはキャッシュフローの裏打ちがないという。
もしこれが真実とすると同社は資産の評価損を被ることになる。」
仮に過去の決算に問題がないとしても、日本にも減損会計があるわけですから、のれんなどの減損テストを行うべきでしょう。会社の状況を把握できる立場にあった前社長の指摘は十分に「減損の兆候」といえます。
急落オリンパス株、市場の懸念は財務体質にも(日経)
「日本で導入が議論されている国際会計基準(IFRS)の行方も市場の関心の一つだ。IFRSではのれんは定期償却せず、買収先企業の価値を毎年見直したうえで、必要な場合は一括償却する仕組み。
IFRSが導入されなければ、定期償却額は好調な内視鏡部門の利益で補えるとの見方が多い。だが、IFRSが導入されれば、一時的に減損損失が大きくなるリスクが生じる。」
この日経記事の記述は誤りです。日本にものれんの減損規定が存在します。また、個別財務諸表で子会社株式を評価減すると、連結で計上されているのれんのいっしょに減額される場合もあります。
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