IFRSに関する青山学院大学八田教授へのインタビュー記事。
IFRSについての見解よりも、日本の会計基準設定主体であるASBJを論評している部分がおもしろいと思いました。(少し厳しすぎですが)
「・・・日本は2001年に、企業会計基準委員会(ASBJ)という民間組織が立ち上がったばかりで、新たな会計基準対応と国際会計基準対応のすべてが任せられていたのです。しかし、結果から見るとASBJが国際対応については多くの点でブレーキを踏んでしまったといえるでしょう。
ASBJは、あまりにも理論的な部分を重視したばかりに、国際的に揺れ動いている会計基準のコンセプトの変化や経済の動向など、マーケットで合意形成されたルールから乖離(かいり)した会計基準作りになってしまった、と私は思います。そのために日本の経済団体や公認会計士協会など、国際市場を相手に業務を行っている当事者は、(ASBJだけでは)どうしようもないと判断したのでしょう。かつてはコストがかかり、ダブルスタンダードになる国際会計基準に対して、経済団体もネガティブな態度でしたが、会計基準を一本化できるならメリットがあるとして考えを変えました。」
外から見ている限りでは、設立当初から、会社法改正への対応など国際的な動向とは無関係な基準作りを請け負ったり、リース会計や企業結合のような企業会計審議会が積み残してきた課題をクリアしなければならなかったりと、いろいろなハンデを負いながらも、それなりの成果はあげているように感じます。
八田教授が作った内部統制基準の方はたしかに理論的な部分を重視しないで作ったという感じはしますが・・・。
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