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法人が「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」を適用した場合の税務処理について(国税庁)

法人が「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」を適用した場合の税務処理について

国税庁は、法人が「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」を適用し、遡及処理を行った場合の税務処理について取りまとめたQ&A形式の資料を、2011年10月20日付で公表しました。

問1で、以下のような基本的な考え方が述べられています。

「法人税の確定申告は「確定した決算」に基づき行うこととされていますが(法74①)、過年度遡及会計基準に基づく遡及処理は過去に「確定した決算」を修正するものではありませんので、遡及処理が行われた場合でも、その過年度の確定申告において誤った課税所得の計算を行っていたのでなければ、過年度の法人税の課税所得の金額や税額に対して影響を及ぼすことはありません

ただし、・・・遡及適用及び修正再表示を行う結果、利益剰余金の前期末残高と当期首残高が不一致となることから、税務上は、当期の法人税申告書別表において所要の調整を行うことが必要になります。」

「過年度の確定申告において誤った課税所得の計算を行っていた」場合は、別の扱いになります。今回発表の資料では「仮装経理に基づく過大申告があった場合」についてふれています。

「法人の提出した確定申告書に記載された所得の金額が、粉飾決算など事実を仮装して経理したことにより過大となっている場合には、当該法人が仮装経理をした事業年度後の各事業年度において当該事実に係る「修正の経理」をし、かつ、「修正の経理」をした事業年度の確定申告書を提出するまでの間、税務署長は更正をしないことができることとされています(法129①)。

この「修正の経理」について、過年度遡及会計基準の導入前には、仮装経理をした法人が、その仮装経理をした事業年度後の事業年度の確定決算において「前期損益修正損」等として経理することにより修正の事実を明らかにすることと一般に取り扱われていましたが、過年度遡及会計基準の導入後においては、通常、「前期損益修正損」等の勘定科目を用いた経理処理ではなく、修正再表示の処理が行われることになります。

この情報では問8において、こ のような法人が行った修正再表示は、「修正の経理」として取り扱われる旨を設例に基づき説明しています。」

全部で9件のQ&Aで構成されており、その項目は以下のとおりです。

【概要】
問1 過年度遡及会計基準の概要

会計方針の変更
問2 会計方針の変更があった場合(棚卸資産の評価方法の変更)
問3 会計方針の変更があった場合(出荷基準から検収基準への変更)
問4 会計方針の変更があった場合(検収基準から出荷基準への変更)

過去の誤謬の訂正
問5 過去の誤謬の訂正があった場合(税務上は是正を要しないとき)
問6 減価償却資産に係る過去の誤謬の訂正があった場合の当期以後の処理
問7 過去の誤謬の訂正があった場合(税務上も是正を要するとき)
問8 仮装経理があった場合の修正経理

【確定申告書の添付書類】
問9 過年度事項の修正の内容を記載した書類

申告書記載方法の数値例も含まれています。
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