会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「監査ツール(実務ガイダンス)」の改正(日本公認会計士協会)

監査基準報告書300実務ガイダンス第1号「監査ツール(実務ガイダンス)」の改正及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会は、監査基準報告書300実務ガイダンス第1号「監査ツール(実務ガイダンス)」を、2023年6月15日付で改正しました。

品質管理関連の報告書(品質管理基準報告書第1号「監査事務所における品質管理」、第2号「監査業務に係る審査」、監査基準報告書220「監査業務における品質管理」)の改正・新設、並びに倫理規則の改正に伴い、所要の見直しを行ったものです。監査実務を踏まえ既存様式の利便性向上のための見直しも併せて行っています。

品質管理関連の報告書の改正・新設は、大規模監査法人とそれ以外で適用時期が異なるため、それによる見直しを含む様式と含まない様式を、それぞれ公表しているそうです。

監査ツールによる調書体系の全体像。

こういう図がないと、監査全体の中でどの部分の調書を作成し、手続しているのか、わからなくなりそうです。

公開草案へのコメントに対する協会の対応をまとめた資料を見ると、興味深いコメントもあるようです。

「監査ツールは特に中小規模監査事務所において、品質担保の基幹となる重要なツールであるため、データ再利用性を高められるフォーマットを公認会計士協会として掲載していただくことを提案いたします。また、今般、監査ファイルの適切な整理並びに監査調書の管理及び保存に係る留意事項(通知)(https://jicpa.or.jp/specialized_field/20230317iff.html)
において、電子調書の推進に触れられている中で、調書としての見た目よりもデータリテラシーのある様式集を発行することにも意義があると考えます。
監査ツールは、エクセルに限定せず、ワード調書の様式をも含むことでより充実した記載とすることも出来ると考えられます。
なお、特にエクセルフォーマット書式については、セル結合が散見され、テキストボックスの使用がデータ再利用性の低下につながることから、総務省が発行する「統計表における機械判読可能なデータ作成に関する表記方法」(https://www.soumu.go.jp/main_content/000723697.pdf)を参考に、よりデータ再利用性の高いフォーマットをご検討ください。」

もっともな指摘ですが、たぶん、印刷したものにより見直したり、レビューしたり、保存したりするニーズも考慮しているのでしょう。また、データ再利用性を高めて、他社や前期の調書をそのままコピペされては困るということもあるのかもしれません。

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