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東北地方太平洋沖地震を踏まえた決算発表等に関する取扱いについて(東証)

東北地方太平洋沖地震を踏まえた決算発表等に関する取扱いについて

東京証券取引所は、「東北地方太平洋沖地震を踏まえた決算発表等に関する取扱いについて」という文書を、3月18日に公表しました。

各社の実情を考慮して柔軟に対応する観点から、決算発表その他の取扱いについて取りまとめ、上場会社に対して通知した内容を明らかにしたものです。

まず、決算発表の時期について
 
「本地震災害により速やかに決算の内容を把握・開示することが困難な場合には、「45日以内」などの時期にとらわれる必要はなく決算内容が確定できたところで開示

するよう求めています。

「本地震災害により決算発表が大幅に遅れる場合には、その旨(開示時期の見込みが立つようであればあわせてその旨)開示」

することの検討も要請しています。

決算短信における業績予想については、

本地震災害により業績の見通しを立てることが困難な場合には、決算短信及び四半期決算短信において、業績予想を開示する必要はありません

としています。

また、有価証券報告書又は四半期報告書の提出遅延に係る上場廃止基準の適用について

「(政令による)特別措置の適用を受けた上場会社に対しては、政令で定める期限を有報等の提出期限とみなして適用する」

と述べています(特別措置が適用されることとなった旨の開示も不要)。

(特別措置については、金融庁のEDINETのホームページに説明が掲載されています。)

さらに、会計監査の関連では、意見不表明を受けた場合の上場廃止基準の適用について

「本地震災害により、上場会社の財務諸表又は四半期財務諸表等に添付される監査報告書又は四半期レビュー報告書において意見不表明等が記載されることとなった場合、監理銘柄指定及び上場廃止の対象とはなりません」

とされています(その旨の開示も不要)。

(これをみると、決算短信に関する緩和措置は幅広く適用可能なようですが、有価証券報告書などの提出遅延に係る上場廃止基準の適用に関する緩和措置は、政令による特別措置が適用される会社が対象ということで、実際の適用は限定的かもしれません。また、特別措置による延長は6月末までなので、3月決算会社にはそもそも無意味です。)

当サイトの関連記事(東北地方太平洋沖地震を踏まえた金融商品取引法に基づく開示書類の取扱い)

決算発表や有価証券報告書の延期容認 東証・金融庁 被災企業の負担を軽減へ(産経)

被災企業の有価証券報告書提出が遅れても上場廃止にせず=金融庁と東証(ロイター)

「特定非常災害に指定された東日本大震災では、被害者の権利・利益の保全を図るための特別措置に関する法律によって、被災した企業のうち2010年12月期─2011年2月期決算企業の有価証券報告書などについて、これから到来する提出期限は、6月30日まで延長することが決まった。これらの企業について金融庁は、3月期以降に決算を迎える有価証券報告書などについても、今後の復興状況を見ながら期限延長の必要性を検討する。」
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