日本公認会計士協会は、企業情報開示・ガバナンス検討特別委員会 「企業情報開示に関する有用性と信頼性の向上に向けた論点の検討~ 開示とガバナンスの 連動による持続的価値創造サイクルの実現に向けて ~(中間報告)」を、2020年8月21日付で公表しました(ウェブサイトでの公開は9月10日)。
2019年9月に設置された「企業情報開示・ガバナンス検討特別委員会」の報告書です。
「本特別委員会では、資本市場における資本提供者である投資家が必要とする企業情報を前提に、外部有識者として投資家・社外取締役の参画を得て、企業情報開示の有用性と信頼性の向上に向けた課題の抽出と対応の方向性についての議論を行いました。さらに、こうした企業情報開示を支える立場として、公認会計士が果たすべき役割についても併せて検討を行いました。」
当協会の分析に基づく課題の抽出と対応に関する提案文書を中間報告として取りまとめたとのことです。40ページ強のボリュームです。
以下のような構成となっています。論点を検討している第3章が中心です。
はじめに
第1章 検討の背景と目的
第2章 検討のアプローチ
第3章 企業情報開示に関する論点の検討
論点1 開示書類の体系と情報構成
論点2 報告フレームワーク・基準
論点3 企業情報開示とコーポレートガバナンスの連動
論点4 信頼性を高める監査・保証
開示書類の体系(論点1)という点では、海外は、制度上の書類としてさまざまなものが体系化されているようです。
(報告書9ページより)(画像クリックで拡大)
論点2に関しては、世界的には、「近年、基準設定主体間の連携や統一基準の策定に向けた議論が急速に活発化している」とのことです。しかし、日本では、金融庁や経産省からバラバラなガイダンスが出ていて、ますます混乱を加速させているようです(役人は自分の任期中に何らかの成果物を出したいのでしょう)。法務省も、計算書類や事業報告といった自分の縄張りについては、全体の整合性は関係なしに、死守しようとしているようです。
論点3については...
「企業報告の作成体制及びプロセスについて取締役会が監督し、企業情報開示が適切なものとなるよう担保することが重要である。我が国のコーポレートガバナンス・コードは OECD コーポレート・ガバナンス原則を基礎としているが、OECD コーポレート・ガバナンス原則では、報告体制の廉潔性を確保する最終的な責任は、取締役会が負うべきとするとともに、開示及び情報伝達プロセスの監視を取締役会の責務として位置付けている。」
プレスリリース「「企業情報開示に関する有用性と信頼性の向上に向けた論点の検討 ~ 開示とガバナンスの連動による持続的価値創造サイクルの実現に向けて ~ (中間報告)」の公表について」(日本公認会計士協会)
(あらためて報告書の名称をみてみると、なぜ、「企業情報開示の有用性と信頼性...」ではなく、「企業情報開示に関する有用性と信頼性...」としたのか...。)
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