日産自動車の臨時株主総会が8日に開催されたという記事。
ゴーン氏への報酬支払についても質疑応答があったようです。
「ゴーン氏がまだ有罪か無罪か分からない中での解任で、同氏からの訴訟リスクはないかとの問いには「(不正行為は)十分に(取締役、会長職の)解任に値すると弁護士の確認が取れている。(訴訟リスクの)心配はない」(西川社長)とした。
さらに、ゴーン氏に対しては、不正行為の全容が「確認でき次第、当然、損害賠償請求していく」と語り、同氏への退職金も「当然払いたくない」と述べた。」
払わないものがなぜ負債に計上されているのかという、根本的な疑問が残ります。ゴーン氏への未払いが90億円もあるところから、立証された損害賠償を差し引いても(報道されているものを全部足しても90億円には足らない)、残りは払うことになるのでは。
ゴーン氏の不正に関する経営陣の責任などについて。
「西川社長は、ゴーン氏の不正行為は「手口が巧妙だったのは確かだが、私を含め、経営陣も責任を重く受け止めている」としつつ、「現在と将来への責任を果たす」ことも自身の責任と指摘。「しっかり次にバトンタッチ」できるよう会社の道筋をつけてから進退を考える、として早期の引責辞任を否定した。
また、「10年以上も前の不正がなぜ今ごろになって出てきたのか」という株主からの質問に対しては、今になって問題視したわけではなく、社内調査の中で最近の不正事案をさかのぼると「昔の不正も見えてきた」と説明し理解を求めた。」
今からでも遅くないので、中立的な調査委員会を設けて、本当に責任がないのか調べさせるべきでしょう。
総会の公式動画。
https://www.youtube.com/watch?v=EtsS3FVT-gY
大手メディアではありませんが、少し詳しい記事。
↓
日産自動車臨時株主総会に出席して~「カルロス・ゴーン時代」の終焉とその先にあるもの。(BLOGOS)
「...「ゴーンに退職慰労金を払うのか?」(No.24-2)という質問に対しては、「退職金は当然払いたくない」と言い切って会場を沸かせたうえで、「法的にどう実現していくかはこれから検討する」と、保守的な会社の総会ではなかなか聞けないようなリップサービスまでしてくれた*4。」
そもそも、記載もれとされている90億円の報酬を支払うべき法的な義務が、現時点で存在するのかという点から説明してほしいものです。存在しなければ、会社の損害額はそのままゴーン氏に請求できることになり、会社にとっては有利でしょう(そのかわり虚偽記載はなかったということになりますが)。
「会計監査人の責任を問う質問(No.15-1)に対し、CFOが「代える予定にはしていない」と明確に答弁し、西川社長も「監査法人よりも我々の内部統制の問題」と言い切ったことで、胸をなでおろした関係者も少なくないことだろう。
まだゴーン元会長への捜査が継続中、ということで、不正に関する社内調査の全容まで公表されることはなかったが、それでも、起訴されている事実に加え、「株価連動型インセンティブ受領権に関する不正操作」「退職慰労金廃止、打ち切り支給に関する計算方法の不正操作」「コーポレートジェットの不正使用、会社資金の遊興費使用」といった事実が会社の見解として公の場で述べられた、ということにも一定の意義はあったのではないかと思っている。」
監査法人は一安心でしょうが、会社は過去の内部統制報告書をすべて訂正する必要があるでは。組織の末端ではなく、全社に関わる経営トップ層における内部統制の不備なのですから(現社長がそう認めている)、無視するわけにはいきません。
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