世界的な金融危機により、会計基準の統合を推進する動きと、停滞させる動きの両方が生じているという記事。
「改革支持派は、金融危機が透明性と一貫性を追求する必要性を明らかにしたと指摘。世界的な統一規則は多国籍企業のコスト削減につながり、投資家は世界中の企業の比較が容易になる。
ただ、過去数カ月の間、会計基準見直しの動きは停滞している。欧米を中心に、政治家が自治権を主張したり、規則の重要部分の骨抜きを求めることで金融危機に対応してきたことが背景。」
特に気になる米国の動きについては次のように書かれています。
「・・・米国はIFRSの導入時期について明言を避けている。議員の間では、米国独自の会計規則策定の権利を放棄することにためらいの声もある。
会計事務所の関係者の中には、国際的な会計基準の統合は、IFRSと米国の規則が永遠に共存する「バイリンガル」なアプローチで進めるべきとの主張すらある。
国際会計基準審議会(IASB)のデビット・トゥイーディ議長は、米国の動きを批判するとともに、このようなアプローチを明確に否定した。」
日本としては、米国基準とIFRSが並立し、論点ごとに都合のいい方をつまみ食いできる現在の状況が居心地がいいといえますが、そううまくはいかないでしょう。もともと内容が近い両基準が何らかのきっかけで一挙に統合されれば、日本企業の会計基準だけがガラパゴス的に取り残されてしまうリスクがあります。
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