会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

有価証券報告書等の訂正報告書の提出に関するお知らせ(ボーソー油脂)

第 92 期(2020 年3月期)第1四半期報告書の提出および第 91 期(2019 年3月期)有価証券報告書等の訂正報告書の提出に関するお知らせ(PDFファイル)

東証2部上場、ボーソー油脂のプレスリリース。

遅れていた2020 年3月期第1四半期報告書を9月10日に提出し、また、2019 年3月期有価証券報告書等の訂正報告書についても、同日、提出したとのことです。

「訂正の経緯および理由」より。

「当社は、2019 年8月 14 日付「2020 年3月期第1四半期報告書の提出期限延長に係る承認申請書提出のお知らせ」にてお知らせしましたとおり、当社の会計監査人である東陽監査法人より、当社連結子会社において 2018 年4月に契約が開始されたリース取引について、本来、残価保証相当額について資産計上すべきものが資産計上されていないとの指摘を受け、また本取引については当社による保証がついておりましたが、注記が漏れているとの指摘も受け、第 91 期(2019 年3月期)有価証券報告書等について訂正を実施することとなりました。」

内部統制報告書も訂正されています。

内部統制報告書の訂正報告書の提出に関するお知らせ(PDFファイル)

「前記の誤謬は本件が購入選択権付リース契約であることに起因する貸借対照表上の資産/負債計上の解釈によるものです。当該子会社は財務諸表の作成にあたって当該子会社の顧問公認会計士より助言を受けており、それを基に当社の連結財務諸表に反映いたしました。監査法人からも 2019 年3月期第1四半期(2018 年4月~6月)のレビュー報告書以降、2019 年3月期末決算を含めて適正であるとの書面を受けておりました。しかしながら、上記リース契約内容の判明を踏まえ、監査法人内部にて審査(合議)が行われた結果、これまで当社担当の業務執行社員から受領していた見解とは異なる判断が示されました。また、過去に当社の子会社で当社が保証するリース取引が発生したことがなかったため、本件について当社が保証を行っているにもかかわらず、当社の債務保証額集計の過程で漏れが生じました。このため、決算・財務報告プロセスの一部に不備があったと認識しています。」

監査法人への不満が感じられる文章です。

訂正報告書(2019年3月期)をみると、リース資産(純額)について、訂正前 110,130千円が、訂正後 645,088千円になっています。リース債務の金額なども訂正されています。総資産が約100億円の会社ですから、それなりに大きな金額です。

また、減価償却方法の注記で、「所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産」について、以下の訂正が行われています。

訂正前
「リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。」

訂正後
「リース期間を耐用年数とし、残存価額を零又は残価保証相当額とする定額法を採用しております。」

キャッシュ・フロー計算書の注記についても、「重要な非資金取引の内容」として、「ファイナンス・リース取引に係る資産及び負債の額」が新たに注記されています。金額が大きくなったので、無視できなくなったのでしょうか。
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