大王製紙のCB発行をめぐる裁判で、原告である北越コーポレーション(大王の筆頭株主)の賠償請求が棄却されたことを取り上げた記事。
どういう裁判か...
「この訴訟は、15年9月から大王製紙が発行する300億円の新株予約権付社債(転換社債=CB)によって同社の株価が大幅に下落したことで株主利益が損なわれたとして、筆頭株主である北越紀州製紙(現北越コーポレーション)が、大王の佐光正義社長ら取締役13人(個人)に対して約88億円の損害賠償を求めたものだった。」
判決については...
「判決が言い渡されてから、大王は「当社の主張を全面的に認めるものだ」という勝訴宣言を出した。だが、大竹裁判長などがまとめた判決理由は、北越が問題提起したCB発行の手続きの中身については是非の判断を避け、前例を踏襲したものだった。要は、「一般的な手続きに則(のっと)っていれば問題ないとする形式主義」(法律家)である。」
影響は...
「大王のCBは、「転換促進型」といわれる商品設計であることから、これから株式への転換が進めば、権利行使の期限(20年9月3日)を待たずして、北越の議決権比率21.7%は下がる。大王はまんまと持分法適用関連会社という立場から逃れる道筋を付けたのだ。」
筆頭株主とはいえ、中途半端な持分比率では、目的は達成できないようです。
訴訟の判決に関するお知らせ(北越コーポレーション)(PDFファイル)
「本判決は、佐光社長をはじめとする大王製紙経営陣が当社を嫌悪し、当社の持株比率を快く思っていなかったことは認めたものの、結論としては当社の主張を認めず、大変遺憾であります。本判決に従えば、大規模なエクイティ・ファイナンスを行うにあたり、不適切な手法を用いて既存株主に多大な不利益を生じさせたとしても取締役は何ら責任を問われないこととなり、今後、本件発行と同様に不適切なエクイティ・ファイナンスが再び行われて、国内外の投資家の資本市場に対する信頼を根本から揺るがすことになりかねません。従って、当社は直ちに控訴する方針です。」
訴えられていたのが会社ではなく、役員だったためか、大王製紙側の発表は見当たりませんでした。
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