大王製紙が、創業家の保有する関連会社株式の買い取りを事実上断念するという記事。
「大王製紙は28日、創業家の保有する関連会社株式の買い取りを事実上断念する方針を固めた。創業家出身の井川意高前会長の巨額借り入れ事件を機に、関連会社株式の買い取りを通じて創業家の影響力を低下させる考えだったが、交渉期限である今月末までの実現は困難と判断した。」
「創業家は「エリエール」ブランドのティッシュペーパー生産会社などを保有。創業家が経営から退いたことで、大王製紙が連結業績に組み込める子会社の数は以前の37社から19社にほぼ半減し、大王の経営への影響が懸念されていた。」
韓国では、各財閥に、傘下の会社の決算書を合算した「結合財務諸表」を作らせているそうです(会社間で支配従属関係はないので「連結」ではない)。大王製紙の場合も、創業家が生産会社などを支配し、上場会社である大王製紙に対しても大株主として影響力を有していたわけですから、「連結」ではなく、(日本の制度にはありませんが)「結合」財務諸表を開示すればよかったのかもしれません。創業家が大王製紙の取締役から外れたというだけで、大王製紙による支配が消滅してしまうということは、(現行の連結ルールでは認められていたのかもしれませんが)もともと支配していなかったのではないでしょうか。
韓国における企業集団結合財務諸表について
http://ci.nii.ac.jp/naid/110007010465
大王製紙:関連会社株式買い取りを断念 改革の行方混とん(毎日)
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