会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

米上場中国企業と新規契約の米監査法人による違反に警告=SEC(ロイターより)

米上場中国企業と新規契約の米監査法人による違反に警告=SEC

米国上場中国企業を監査している事務所への検査問題は、米中当局間で協定が締結され、解消に向かっているように報じられていましたが、この記事によると、米証券取引委員会(SEC)が、この問題に関連して新たな警告を出したそうです。

「米上場廃止を避けようとしている中国と香港の企業から外部監査責任者としての仕事を新たに引き受ける米監査法人は、適切に役割を果たせず米国のルールに違反してしまう恐れがある――。米証券取引委員会(SEC)のポール・マンター主任会計官代理は6日、こう警告した。」

背景として、監査人を米国系やその他の外国系に切り替える動きがあるそうです。

「SECによると、幾つかの中国・香港企業は最近、外部監査責任者を中国系から米国系ないし他の外国系の監査法人に切り替えている。中国側が、SECの監督下にある米国公開企業会計監督委員会(PCAOB)による監査資料の審査を認めなかった場合、米国で上場廃止になる可能性を懸念したためだ。」

SECは、中国国外の事務所では「中国の知識や専門的技術、中国語力ないし当該企業の経営幹部との個人的なホットラインなど厳格な監査の遂行に必要な要素を持ち合わせていないのではないか」と見ているそうです。

監査人交代時の引き継ぎについても述べているそうです。

「マンター氏は、米上場中国企業の監査責任者は前任の地元監査法人から監査資料を引き継いだ上で、経営陣が適正に行動していたか、あるいはこれまでの内部監査部門とのやり取りなどに関する幅広い情報を取得しなければならないと強調し、これらの情報なしでは監査法人が代わっても根本的な問題は解決されないと付け加えた。」

監査契約新規受嘱のときの検討の話ということになるのでしょう。そもそも、主たる監査人になれるかどうかという論点があったと思います。

米上場の中国企業、受け入れなら十分吟味を-SECが監査法人に忠告(ブルームバーグ)

「SECのポール・マンター主任会計官代行は声明で 、監査法人は顧客と契約する前に、外国企業の経営陣や過去の監査担当者の両方から必要な情報全てを確実に入手できることなどを含め十分に顧客を吟味する必要があると指摘した。

その上で、「こうした契約によって特別な課題が生じる。つまり、新たに起用された登録監査法人が米国、他地域のいずれを拠点にするにしても、主要な監査法人として責任を果たせるかどうかとの疑問を提示する」とした。」

SECの声明文

Audit Quality and Investor Protection under the Holding Foreign Companies Accountable Act(SEC)

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