会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

<27兆円の行方>(上)持ち合い株、見えぬ意義

<27兆円の行方>(上)持ち合い株、見えぬ意義
「物言わぬ株主」保有効果示さず 金融庁開示強化で売却本格化も…


日経はこのところ反持ち合い株キャンペーンをやっているようで、これは、持ち合い株には、関係性や保有の意義が外からは分からないものが多いと批判している記事。

持ち合い株の開示については...

「持ち合いの削減を促すため、金融庁は今年から情報開示を厳しくした。19年3月期の有価証券報告書から、個別銘柄の開示数を2倍の60社に増やし、それぞれに持ち合い関係の有無のほか、各銘柄の保有理由と定量的な効果について記載するように求めた。
 
ただ各社の有報には保有する理由を「営業政策等の取引関係の維持と強化」(凸版)、「営業取引の関係強化」(大日印)、「企業価値向上のための事業関係及び取引関係の維持強化」(日清食品ホールディングス)など、すべての銘柄に同じ記載をするなど、お互いにどのような取引があるのかすらわからない開示がほとんどだ。」

「保有の定量的な効果は「定量的な保有効果の記載は実務上困難」(日清食HD)、「相手先との関係を考慮し開示を差し控える」(王子ホールディングス)、「取引先との営業秘密との判断」(大正薬HD)との理由で記載すらしていない。
 
富士フイルムホールディングスは保有先各社からの受取配当金を記載するが、「資本コスト等に見合っているかを検証し、経済合理性を検証している」としているだけだ。「(このような開示では)どういう基準で評価をしているかわからず、一般的で漠然としている」(アセットマネジメントOneインターナショナルのカリン・リー氏)と、投資家が保有している意義を判断できる材料にはなっていない。」

「目的や効果など情報開示強化の目的は持ち合いによる「見えない関係」を可視化し、投資家に必然性を判断させることにある。その情報開示が骨抜きにされれば、「持ち合い株式は株主の権利を阻害している」(国際コーポレート・ガバナンス・ネットワーク最高責任者のケリー・ワリング氏)との批判はやむことがない。」

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