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銀行の自己資本比率、有価証券の評価損の取り扱いを検討=金融庁長官

銀行の自己資本比率、有価証券の評価損の取り扱いを検討=金融庁長官 | ビジネスニュース | Reuters

金融庁長官が、銀行の自己資本比率規制での有価証券の評価損の取り扱いについて検討を始めたことを明らかにしたという記事。

「佐藤長官は、株価が急落する環境の中で「自己資本比率規制の健全性の指標としての合理性や国際的な枠組みとの整合性を考慮しながら検討している」と述べた。」 

会計基準をいじらないことにしたのであれば、よいことだと思います。

(補足)

金融庁ホームページに金融庁長官の記者会見の概要が出ています。有価証券評価損については以下のような質疑応答です。自己資本比率規制の話だということがわかります。

問) 昨日のテレビ番組等で中川大臣が株価下落による銀行の財務悪化を防ぐため、会計処理ルールの緩和を検討していることを明らかにしました。念頭にあるのは、いわゆる「その他有価証券」の含み損や含み益を自己資本に反映させる際のやり方の変更等にあると思われますが、バーゼル合意等の整合性なども踏まえて、現時点で金融庁としてどういった対応をお考えでしょうか。

答) 自己資本比率規制上の銀行の有価証券の評価損の取扱いについて検討する旨の中川大臣のご発言について報道されているということは承知いたしております。有価証券の評価損が自己資本比率に与える影響は銀行の資本の構成等により、あるいはポートフォリオの中身等によりさまざまでありますけれども、自己資本比率規制上いわゆる「その他有価証券」の評価損が生じた場合、これが自己資本の基本的項目(ティア1)から控除されることにともない、補完的項目(ティア2)の上限も同時に減少することとなりますので、その分更に自己資本比率を低下させる可能性があるということは事実でございます。他方、自己資本比率規制は金融機関の健全性を図る共通の物差しとしてバーゼル合意の下で設計された国際的な枠組みがベースにございまして、我が国においても「その他有価証券」の評価損の取扱いはバーゼル合意と整合的なものになっているということでございます。金融庁としては、有価証券のボラティリティ(変動率)、価格のボラティリティが非常に高まっている現在の環境下で、健全性の指標としての合理性や国際的な枠組みとの整合性などを考慮しつつ、そのあり方について検討しているところでございます。

佐藤金融庁長官記者会見の概要(平成20年10月20日(月)17:02~17:23 場所:金融庁会見室)

ついでに審議会のページを見てみると、企業会計審議会企画調整部会が10月23日の9:30から開催されるようです。IFRS導入が議論されるのでしょう。金融危機対応で忙しくて先送りになってしまわないことを願います。

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