会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

中国企業めぐる架空増資で会社役員ら起訴 東京地検(産経より)

中国企業めぐる架空増資で会社役員ら起訴 東京地検

大証ジャスダック上場の「セラーテムテクノロジー」による架空増資事件で、セラーテム社社長らと法人としての同社が起訴されたという記事。

「大証ジャスダック上場のITソフトウエア関連会社「セラーテムテクノロジー」(東京都中央区)による架空増資事件で、東京地検特捜部は26日、金融商品取引法違反(偽計)罪で、セラーテム社社長、池田修容疑者(38)と、同社元取締役、宮永浩明容疑者(46)を起訴した。法人としての同社も起訴した。」

「起訴状によると、池田被告らは平成21年11月中旬~12月上旬にかけ、英領バージン諸島のファンドを割当先とした新株発行によって第三者割当増資を実施し、約15億円を調達したと偽装。この資金で、中国のソフトウエア開発会社「北京誠信能環科技有限公司」を買収したなどとする虚偽の発表をしたとされる。

 北京誠信側は、セラーテム社に取締役3人を派遣するなど経営権を握っており、特捜部は海外企業が日本市場への実質的な上場を果たす「裏口上場」状態だったとみている。」

会社は、「当社および当社役員らは、金融商品取引法に違反するような行為を行っていない」と主張しています。

金融商品取引法違反容疑による刑事告発および起訴に関するお知らせ(PDFファイル)

株式会社セラーテムテクノロジー株券に係る偽計事件の告発について(金融庁)

「犯則嫌疑者両名は、大阪証券取引所に上場する犯則嫌疑法人株式会社セラーテムテクノロジーの浮動株時価総額が過少で上場廃止基準に抵触するおそれがあったことから、中国に本店を置く北京誠信能環科技有限公司(以下「北京誠信」という。)との間で実質的に株式交換を行うなどして、北京誠信を実質的に完全子会社化し、犯則嫌疑法人の株価の上昇を図るとともに、北京誠信株主らに犯則嫌疑法人の発行済株式の過半数を取得させるなどして、その経営支配権を北京誠信株主らに掌握させるスキームの実施をもくろんだ。しかしながら、同スキームは、北京誠信による「裏口上場」とみなされ、犯則嫌疑法人の株券が上場廃止基準に抵触することを危惧し、今度は新たに調達する資金で北京誠信を買収して実質的に完全子会社化したかのように偽装するスキームを企てた。」

「・・・犯則嫌疑法人の自己資金7億5000万円を、いずれも北京誠信株主らが実質的に支配するTrue Honour Group Ltd.(以下「THG」という。)及びWEALTH CHIME INDUSTRIAL LIMITED(以下「WCI」という。)並びに犯則嫌疑法人の三社間で2回循環させる方法により、犯則嫌疑法人がWCIを割当先とする第三者割当増資によって調達した約15億円の資金でTHG等を介して北京誠信を買収したかのように偽装した。」

裏口上場といえば、28日の日経夕刊のコラムで、東証と大証の統合は「東証による裏口上場との批判が残る懸念がある」と書いていました。もちろん東証・大証の場合は、セラーテムと違って、正々堂々とした「裏口上場」なのだとは思いますが・・・。

東証1部初上場中国企業 チャイナ・ボーチーってどんな会社?(JCASTニュース)(2007年の記事です。)

「 「チャイナ・ボーチー」の宮永浩明副総裁(42)によると、「チャイナ・ボーチー・エンバイロメンタル・ソリューションズ・テクロノジー・ホールデングカンパニー・リミテッド」と長い社名で、設立は03年末。海外へ株式を上場するのに便利なように設置したもので、「本業」の「環境事業」を行うのは、グループの中核子会社で中国・北京が本社の「北京博奇電力科技有限公司」(02年6月設立)だ。」
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