会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

インボイス 中小に2つの緩和措置(Tabislandより)

インボイス 中小に2つの緩和措置

政府・与党がインボイス制度の2つの緩和措置を固めたという記事。すでに報じられている内容とほぼ同じです。

「政府・与党は、2023年10月に導入が予定されているインボイス制度で、現行制度で消費税の納付を免除されている売上高1000万円以下の小規模事業者が「課税事業者」を選択した場合、3年間は納税額を売上税額の2割に軽減する激変緩和措置を講じる方針を固めた。また、課税売上高が1億円以下の事業者について、制度施行から6年間1万円未満の課税仕入れにはインボイスの保存がなくとも帳簿のみで仕入れ税額控除を可能とすることで調整している。12月中旬にまとめる23年度与党税制改正大綱に反映する。」

どちらも、課税事業者向けの緩和措置です。課税事業者になるよう誘導したい(インボイスを発行できるように課税事業者となった場合の不利益は小さくするから、課税事業者になりなさい)ということでしょうか。

1つめのの措置は、簡易課税で仕入率を80%にするのと効果は同じです。2つめの措置は、事務負担を減らす効果はあるのでしょうが、納める税金が大きく変わるわけではありません。

免税事業者が課税事業者を選択すれば、3年間の緩和措置があるとはいえ、当然、あらたな納税や事務負担が発生するわけですが、そのようなコスト増は、売上先と交渉して取引価格に反映してもらえばよいということでしょう。そして、価格は当事者間で決める問題(契約自由の原則)なので、政府は関与できないということでしょう。

免税事業者の条件に当てはまり、かつ、インボイス導入後も課税事業者にならない事業者については、仕入れ側の仕入税額控除に関する既存の経過措置だけということでしょう。

免税事業者については、免税の制度がなくなるわけではないから、免税事業者のままでいるのも自由である、それにより、仕入税額控除ができなくなる相手先から取引価格が引き下げられたり、取引から排除されたりしても、それは、当事者間の問題であり、政府は関係ないということでしょう。

また、インボイス制度導入は、延期しない(当然中止もしない?)そうです。

「自民党税制調査会の宮沢洋一会長は11月30日、税調会合終了後に記者団の取材に応じ「(インボイスの導入)延期はない」と明言。」

(補足)

○×等審議で部会要望重点項目を議論【速報!自民党税調ニュース2022 Vol.5】(税務研究会)

「消費税関係では、「インボイス制度導入については、中小・小規模事業者等への負担軽減や影響最小化の観点から、必要な税制上の措置について検討すること」が、『受け入れる』とされた。

また、『検討し、後日報告する』ものとして、「申告・納税等の税務手続の一層のデジタル化の推進等の観点から、企業等の事務負担軽減やバックオフィス効率化に資するよう、電子帳簿保存法の電子取引の保存や優良な電子帳簿に関する制度、ダイレクト納付の利便性向上、処分通知等の電子化等について、所要の見直しを講ずること」などが挙がった。」

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