会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

無印良品、米事業再建へ子会社の破産法申請 コロナ影響(日経より)

無印良品、米事業再建へ子会社の破産法申請 コロナ影響

良品計画の米子会社「MUJI U.S.A.」がチャプター11(米連邦破産法11条)を申請したという記事。

「負債総額は6400万ドル(約67億円)。新型コロナウイルスの影響で店舗が営業休止して業績が悪化した。新型コロナによる米連邦破産法11条の申請は日本の小売大手では初めて。法的手続きを経て再建を目指す。

無印良品は2006年に米国事業に進出した。現在は18店舗を運営している。米国は賃料が高くコスト負担が重かったうえ、新型コロナによる営業休止の影響が大きかった。」

MUJI U.S.A. Limited によるチャプター11 に基づく再生手続の申請に関するお知らせ(良品計画)(PDFファイル)

新型コロナ以前から業績は振るわなかったようです。2020年2月期ですでに債務超過となっています。

「MUJI USA は、2006 年に米国で「無印良品」事業を開始し、18 店舗を展開しております。本年発生した新型コロナウイルス感染症の甚大な影響により、3 月 17 日以降、米国で展開する全店の営業停止を余儀なくされました。MUJI USA の事業は、高い賃料など高コスト構造のため継続的に損失が発生しており、新型コロナウイルス感染症の発生以前から、顧客層拡大による売上向上の取り組みや賃料改定交渉など、事業再建のための取り組みを行っておりました。再建の推進途上で新型コロナウイルス感染症が拡大し、店舗営業停止などによる売上の大幅減少が生じたため、採算が急速に悪化する事態となっております。この先も、当面の間、市場環境は不透明な状況が継続すると考えられます。

このような状況を踏まえ、MUJI USA の取締役会は、今般、チャプター11 に基づく再生手続を申請することといたしました。MUJI USA は、チャプター11 の下、収益面でのボトルネックとなっていた不採算店の閉鎖、賃料の減額交渉等を進め、その上で、事業構造の抜本的な転換を図っていく予定です。...」

業績への影響は...

「当社は既に MUJI USA 株式の評価減損を計上しており、現在同社株式の評価額は 0 円です。」

「本件が当社の業績に与える影響については、今後、再生手続の進展を注視し、当社の業績へ与える影響を含め、開示すべき事由が発生した際には速やかに開示いたします。なお、本件が2020 年 8 月期当社業績に与える重要な影響はないものと見込んでおります。」

2020年8月期(決算期変更のため変則決算)の第1四半期(3~5月)の決算短信をみると、(いわゆる第1の事象として)決算数値に反映済みなのか、後発事象の注記はなされていないようです。

ちなみに、良品計画は日本基準の会社ですが、新型コロナの休業店舗の経費を特別損失にもって行くという処理は、やっていないようです。そのためか、営業利益は△2,899百万円と、赤字になっています。

2020年8月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(良品計画)(PDFファイル)

良品計画の今期、39億円の最終赤字 6カ月決算、国内外で販売減(日経)

「3~5月期の営業収益は19年3~5月期比で30%減の787億円、最終損益は41億円の赤字(同65億円の黒字)だった。国内は新型コロナで客数が大幅に減少したほか、海外では収益性が低下した欧米の一部の店舗で減損損失を計上した。食品や電子商取引(EC)による販売は伸びたが、補えなかった。」
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