会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「証券取引等監視委員会の最近の活動と重点課題」(会計・監査ジャーナルより)

「会計・監査ジャーナル」(日本公認会計士協会機関誌)4月号に証券取引等監視委員会事務局の佐々木氏による「証券取引等監視委員会の最近の活動と重点課題:公認会計士・監査法人との関連で」という解説が掲載されています。

監視委員会の重点課題として、不公正ファイナンス、インサイダー取引、金融商品取引業者の多様化に伴う証券検査の実効性向上、新たな商品、取引、市場等に関する監視の強化、自主規制機関との連携を挙げて、それぞれ解説がなされていますが、副題どおり公認会計士・監査法人に関連する記述もあります。

不公正ファイナンスとの関連での監査法人、公認会計士の問題も把握されている。不公正ファイナンスのスキームのアレンジに関与する公認会計士、スキームの中で利用される海外SPCの国内での常任代理人として登場する公認会計士、不公正ファイナンスを行う当事者である上場企業の監査が、特定少数の監査法人、公認会計士に交代する事例等が認識されている。」

詐欺まがいの集団投資スキーム(ファンド)のスキームの組成や財産評価等の上で公認会計士が関与する事例も把握されている。」

違法な取引に直接関与したり支援したりすることが認められないのは当然の話ですが、さまざまな取引スキームのアレンジ、SPCの代理人となること、上場会社の監査、財産評価などは、会計士の正当なサービスです。税理士が会社に節税策を提案するのは認められるが、それが行き過ぎて脱税指南になれば罪に問われるのと同じで、おそらく微妙な領域があるのでしょう。監査業務、非監査業務にかかわらず、受嘱の際のリスク評価が必要ということになります。

ちなみに、「不公正ファイナンス」とは、法律上の定義はないが、「第三者割当増資や新株予約権の割当等発行市場でのファイナンスを悪用し、流通市場での不公正取引につなげる問題」とのことだそうです。

監査についてもふれています。

「依然として粉飾に加担するような公認会計士、監査法人の事例が把握されている。また、企業側の監査法人対策により、公認会計士、監査法人が粉飾を見抜けなかった事例も少なくない。」
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