東証1部上場の新井組とその100%出資子会社が民事再生法適用の申し立てを行い、受理されたという記事。負債総額は両社合計で約450億円です。
「・・・今年に入って取引先のマンションデベロッパーの倒産が相次いだことや、株価下落に伴う決済期間の短期化などにより資金繰りが悪化。2008年6月中間期で存続企業の前提に注記が付く事態となった。」
「・・・主力取引銀行の三井住友銀行が1日、事業計画の未達などを理由に融資打ち切りを通告。10日に控えている支払いが不能になったという。」
やはり直接の破綻原因は資金繰り(貸し渋り)だったようです。
新井組社長「マンション不振響く」 再生法申請
しかし、赤字見込みのマンション工事の受注が多かったというところにも原因がありそうです。
「ここ数年、都市部にタワーマンションが林立し、東京や大阪では大型再開発が相次ぐなど建設業界は活況に沸いたが、主導は竹中工務店や鹿島建設など、技術力や経営体力に秀で「スーパーゼネコン」と呼ばれる大手。一方、戸建て住宅など地域密着の小型工事は各地の中小業者が押さえ、「新井組は得意分野が見えにくかった」と関係者は指摘する。
新井組はかつて大型公共工事も手掛けたが、現在は売上高の約八割が民間物件。中堅開発業者からのマンション受注も多いが、兵庫県内の不動産業者によると、中堅開発業者が手掛けるのは五十-六十戸規模が大半で「赤字見積もりの受注も多い」と話す。」
赤字受注しても、最後には帳尻を合わせられるというケースもありますが、建設資材価格の上昇でコストダウンにも限界があるのでしょう。他のゼネコンでも、工事損失引当金の見積もりは厳格にやる必要があります。
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