会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

大手監査法人トップの新年あいさつ

大手監査法人トップの新年あいさつへのリンクを集めてみました(五十音順)。

あずさ監査法人

理事長メッセージ

「監査業務においては、監査人として社会的責任を果たす上で、さらなる品質の追求を常に最重要課題として捉えています。その実現のために、進化するIT技術を活用した監査手法の研究開発組織として、2014年7月1日に「次世代監査技術研究室」を立ち上げました。データアナリティクスのアプローチを活用して各種データを分析し監査に利用するなど、革新的な監査手法の研究開発および導入推進を担っています。今後は、社会的要請や環境の変化を踏まえた監査の将来像についての検討も積極的に進めます。」

「日本企業の海外進出が活発化する中、新興国へのビジネス展開を積極的に支援するために、当該国駐在経験者で構成される「カントリーデスク」を2014年4月に設置しています。」

「また、KPMGジャパンとしてのアドバイザリーサービス提供体制を強化するために、2014年7月1日に「KPMGコンサルティング株式会社」を設立し、ビジネストランスフォーメーション(事業変革)、リスク&コンプライアンス、テクノロジーの3分野に豊富な経験とスキルを有するプロフェッショナルを結集して、サービスの提供を開始しました。」

このほか、ダイバーシティ推進などについてもふれています。

あらた監査法人

CEOからのメッセージ

「私どもは、PwCの総力を挙げて、日本の経済社会のインフラや金融資本市場の健全な成長発展とその信頼性の維持向上に貢献すべく、監査品質の向上と人材の拡充に取り組んでおります。」

「あらた監査法人は、157カ国に展開する195,000人以上のPwCグローバルネットワークの多様な専門能力と経験を駆使し、アドバイザリーや税務のプロフェッショナルとの連携を拡充することで、市場からの信頼獲得の一端を担い、世界に飛躍する日本企業にとって価値ある存在であり続けたいと願っています。」

そのほか人材開発やテクノロジー活用について少し具体的にふれています。

トーマツ

監査により資本市場の期待に応え、グループの総合力で日本企業、日本経済の発展に貢献します

「監査はトーマツグループにおける信頼の基盤であり、その品質管理体制を整備・運営強化していくことは勿論のこと、全てのプロフェッショナル一人ひとりに対して品質に関する高い意識を醸成する取り組みを継続してまいります。」

「トーマツグループは、引き続き新規上場企業が市場の信頼を得て、持続的な成長が可能となるよう支援いたします。」

「昨年、本部経営機能を担う新品川オフィスに併設して、「プロフェッショナルラボ(東京)」という研修施設を開設いたしました。従来の人材育成制度を見直し、内容のみならず環境においてもより実践的にプロフェッショナルを育成するに相応しい体制を整えました。」

細かい話ですが、3法人のうち、トップのコメントの日付が書いてあるのはあらただけでした。いつ時点のメッセージなのかというカットオフには気を使っていないようです。

新日本監査法人は、新年になってから、理事長コメントが更新されていないようなので、省略します。ただし、「情報センサー」という社外報の新年号に、テレビ東京の元キャスターとの対談記事があるようです。

情報センサー
2015年新年号


あずさが言っている「監査の将来像」との直接の関係はないかもしれませんが、英国のKPMGでは、現行の型にはまった監査の仕組みを見直して、リスクを詳細に開示するようなものにするという提案を行っているそうです。

KPMG in audit transparency drive(英テレグラフ紙)(2014年9月)

A day after Tesco reveals it has uncovered "serious issues" with its accounts, KPMG urges its clients to abandon "boilerplate" structures of current audits and disclose in-depth details of major risks

長文式の報告書に監査パートナーからの詳細なコメントを含めることを上場会社クライアントに推奨しているそうです。報告書の中では、個々の会社の重要なリスクやそれらのリスクに対して行った手続が記載されます。

The day after Tesco revealed it had suspended four senior executives after uncovering a "serious issue" with its accounts, the "Big Four" auditor said it was inviting all of its listed clients to include detailed commentary from a senior audit partner as part of so-called "long-form" reports recommended by the Financial Reporting Council (FRC) in 2013.

The reports identify the major risks at an individual company as well as the work done on these issues.

他方、こちらは、米国のKPMGに対する女性差別を巡る集団訴訟に多数の現役従業員が参加したという記事。

140 current female KPMG US employees join lawsuit against firm(AccountancyAge)

ダイバーシティも実践が難しいということでしょうか。
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