米国の金融機関が債務を時価評価する会計処理を採用することによって、利益を上げているという記事。
「この利益計上の仕組みはこうだ。ある銀行が発行した1億ドル相当の債券の価値が5%(500万ドル)下がったとする。証券会社や銀行に適用される新規則では、負債の一部が、原価ではなく時価で評価される。債券の価値が5%下がるということは、この銀行の負債が500万ドル減ることを意味する。現在の価値9500万ドルと元の価値1億ドルの差が損益計算書に利益として記載され、最終利益を押し上げることになる。逆に債券の価値が上昇すれば、この銀行の負債が増え、損失となる。」
サブプライム問題の影響で、社債や借入金といった債務の信用リスクが高まれば、それにより債務の時価は下がる(金利は上がる)ことになります。それを損益に取り込むという会計処理です。少し違和感のある処理ですが、金融商品全面時価評価の考え方からすると当然の会計処理だということになります。
わが国でも、金銭債権・債務を含むすべての金融商品の時価を開示させるルールを、企業会計基準委員会で検討中であり、公開草案が出ています。
ちなみにこういう本も出ています(5年前に出版された本ですが)。
金融商品の全面時価評価―フェアバリュー・アカウンティング
荻 茂生
当サイトの関連記事
最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事