会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

横浜のマンション傾く 建築基準法違反の疑い 三井不動産が販売(産経より)

横浜のマンション傾く 建築基準法違反の疑い 三井不動産が販売

三井住友建設が施工し三井不動産レジデンシャルが販売した大型マンションで「建設時に必要な地盤調査の一部をせずに別のデータを転用するなどして基礎工事を行った可能性がある」という記事。

「国交省によると、問題のマンションは平成18年に販売を開始した横浜市都筑区内の4棟で最高12階建て。大型商業施設に隣接し、計700戸以上を擁する。4棟のうちの1棟が傾いていることに気づいた住民側の指摘を受け、三井不動産レジデンシャルと三井住友建設が調査を開始した。約50本のくいのうち計8本のくいが強固な地盤まで届いていないことなどが判明した。建物の傾きとの関連性を調べている。

両社が施行記録を確認した結果、問題のくいを含め10本の部分の地盤調査が行われておらず、別のデータの転用や加筆があったことが分かった。他の棟でも28本について同様のデータが使われていることも確認された。」

意図的な手抜きのようです。フォルクスワーゲンの事件とも共通点がありそうです。両社(親会社も)は、9月の第2四半期で、改修費(あるいは立て直し費)や損害賠償金などの引き当てをしないといけないでしょう。

また、直接不正を実行したのは、専門業者でしょうから、同じ専門業者を使っている他のゼネコンにも波及するかもしれません。

虚偽データで基礎工事、大型マンション傾く 三井不動産レジ販売(日経)(記事冒頭のみ)

虚偽データ施工:横浜の大型マンション1棟傾いた状態(毎日)

「ぶちまけたい」傾いたマンションの住民、販売会社の説明に怒りあらわ(産経)

同じ産経の記事。

ビル傾く手抜き工事、韓国建設現場“あり得ない実態”…他国も「発注したくない」が超安値で排除も困難(産経)

「日本の建設業界では、“ありえない”工事現場の実態が浮き彫りになっている。」

(補足)

三井住友建設からプレスリリースが出ています。

弊社施工物件における杭工事不具合の判明について(PDFファイル)

「・・・杭工事を担当した下請業者が、一部の杭に関して支持層到達についての施工データを、転用・加筆して弊社に提出していたという事実も確認されておりますが、現在、全力でこの調査を進めているところでございます。 」

この下請け業者の名前も明らかになりました。

大型マンション傾く=基礎工事でデータ転用—横浜(WSJ)(時事配信)

「旭化成は同日、子会社の旭化成建材が下請けとして問題のあったくい工事を行ったと発表。同社がマンションの補強・改修工事や他棟の調査のための費用を全額負担する方針を明らかにした。」

旭化成のプレスリリース(適時開示)。

旭化成建材(株)の施工物件における施工不具合および杭工事施工報告書のデータの転用・加筆について(旭化成)(PDFファイル)

「旭化成建材は、建物の補強・改修工事および他棟における調査に要する費用についてはその全額を負担することにしており、今後とも、居住者様の安全を最優先に、売主(三井不動産レジデンシャル株式会社)様、施工会社(三井住友建設株式会社)様と協力の上、しかるべき対応を行ってまいります。

なお、本件における業績等への影響については現時点では不明であり、確認でき次第お知らせいたします。」

旭化成の連結では、当然、引当しないといけません。会計監査でも最重要項目でしょう。
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