会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

日産ゴーン元会長、逮捕後初のインタビュー (日経より)

日産ゴーン元会長、逮捕後初のインタビュー

日産前会長のゴーン氏が日経のインタビューに応じたという記事。

「中東の知人側への巨額送金について「必要な幹部が(決裁に)サインした」とするなど改めて違法性を否定し、検察側との主張の食い違いが鮮明になった。」

「ゴーン元会長は面会で、自身が使途を決められる「CEO予備費」を使ってサウジアラビアの知人側に約12億8千万円を支払わせたとされる特別背任罪の起訴内容について「他地域でも同じように予備費からインセンティブを支払っているが、問題視されていない」と主張。「予備費はブラックボックスではなく、必要な幹部がサインをしている」とし、正当な支出だったと強調した。」

日産の反論も載せていますが、リーク情報では説得力に欠けます。

「これに対し、日産の中東担当幹部は東京地検特捜部の聴取に「必要のない支出だった」などと証言しているもよう。特捜部はこの支出について、知人がゴーン元会長の信用保証に協力した謝礼などの趣旨だったと判断している。」

日経は、特捜部に対して、判断の根拠(証拠)を聞くべきでしょう。

事件については、クーデター説を主張しています。

「日産とルノーの経営統合案を巡っては、日産の西川社長に「昨年9月に話した」と説明。統合構想は「1つの持ち株会社の傘下で、(それぞれの会社が)事業運営の独立を確保する内容だった」とし、ルノー、日産、三菱自動車を持ち株会社方式で経営統合させる計画が社内で進行していたことを明らかにした。

自身の逮捕につながった日産の社内調査は「策略で反逆だ」と主張。自身が進めていたルノーとの経営統合に反対する日産内の一部グループと関連していたことは「疑いようのないことだ」と話した。」

最初の容疑である役員報酬虚偽記載についても、聞いてほしかったと思います。

これがインタビュー全文だそうです。

「これは策略、反逆だ」 ゴーン元会長会見全文(日経)

「――日産自動車によるゴーン被告の不正調査と、仏ルノーとの経営統合に反対していた一部関係者が関連していたと思いますか。

「疑いようがない。(不正調査は)これは策略であり、反逆だ」」

――日産の海外子会社を通じて不動産を不正に購入したとの疑惑があります。

「私には安全に仕事をして(業務上)人々を招待する場所がブラジルにもレバノンにも必要だった。一連の手続きは(CEOオフィスの)ハリ・ナダ(専務執行役員)がすべて担当した。私は弁護士ではなく、すべての関係者が把握していた。(問題があるのなら)なぜ私に言ってくれなかったのか分からない」

――中東の知人への巨額送金で罪に問われている。なぜ資金源に「CEO予備費(リザーブ)」を使ったのですか。

「(送金は)すべて各国の責任者である幹部がサインしている。他の地域でも同じように予備費からインセンティブが支払われているのに問題視されていない。『CEOリザーブ』はブラックボックスではなく、必要な幹部がサインをしている」」

日産にも内部通報制度があったと思われます。サインした幹部は、疑義がある支出だと思ったのなら、なぜ最近になるまで通報しなかったのでしょうか。

ゴーン元会長:日産・ルノー・三菱自の3社統合検討もー報道(ブルームバーグ)

「日産広報担当のニコラス・マックスフィールド氏はゴーン元会長の発言に対して、一連の事件を引き起こしたのはゴーン元会長とグレッグ・ケリー元代表取締役だとした上で、不正について実質的かつ説得力のある証拠をつかんでいる、などとコメントした。」

最大の謎は、なぜ現時点でインタビューが認められたかですが、たぶんこういう記事の影響もあるのでしょう。

「スターリンのソ連と同じ」=英紙もゴーン被告捜査批判(時事)

「英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は29日、日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告に対する日本の検察当局の捜査について、「突然の逮捕と無期限の勾留は、(独裁者)スターリンのソ連を想起させる」と非難する論評を掲載した。日本経済新聞社傘下の英紙も日本の司法制度批判に加わった格好だ。」

スターリンと違って、口封じはしていないといいたいのでしょう。

アンドレイ ビシンスキー(コトバンク)

「’36〜38年の大粛清裁判の国家公訴人として注目され、一躍有名になり、又、ソビエト法学に「ビシンスキー的段階」を画し、ソビエト法理論の確立に尽力。」

米CNNも結構長い時間をとって、日本の人質司法のことを取り上げています。

The Carlos Ghosn case is putting Japan's system of 'hostage justice' under scrutiny(CNN)

このCNNの記事を引用している記事。

日産ゴーンと同じ"人質司法"の犠牲者?CNNが仮想通貨取引所マウントゴックスのカルプレスにインタビュー(Cointelegraph Japan)

日本司法制度「国際人権規約に違反」 仏紙に弁護士ら(産経)

これは最近の記事。

日本の「人質司法」をどうするか――長期勾留や自白偏重に国際社会の批判(Yahoo)
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