金融庁は、株式会社TTGホールディングス(旧商号:都築通信技術株式会社)が作成した財務書類について、証券取引法に基づく監査証明を行った麹町監査法人と監査法人つばきに対して戒告、各監査法人の業務を執行した社員に対して登録抹消の処分を、2007年4月27日付で行いました。
処分の対象となった監査の問題点としては、以下のような点が挙げられています。
・監査手続が不十分だったために、完成工事原価の翌期以降への繰延べ、注文見込段階での売上計上等による利益の過大計上を見逃した。(2002年3月期から2005年3月期)
・会社から、部分完成工事一覧を入手していながら、売上計上できない部分完成工事高10億円を売上計上することを容認した(つまり粉飾を知っていて見逃した)。(2003年3月期)
・その後の年度において、過年度の粉飾を発見した後も何ら対応しなかった。あるいは、部分的な特損計上しかしなかった。
手続不備で粉飾を見逃してしまうのも問題ですが、それ以上に、その後の年度の監査で過去の粉飾を発見したときの対応が特にまずかったといえます。
また、完成基準なのに部分完成工事を売り上げした(そして監査人がそれを認めた)という点については、「部分完成」した部分を引き渡ししている、引き渡した分の入金がなされている等の事情があれば、100%否認されるものでもないと思いますが、そういった実態がない誰がみてもひとつの工事を分割して売り上げしたということであれば、会社が採用している会計方針に反する処理ということになります。
3月決算会社の決算発表がピークになりつつあるこの時期に処分を公表したのは、何か意図があるのでしょうか。
会計士3人を登録抹消、2監査法人に戒告 金融庁処分
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