会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

カジノ解禁にらみ海外運営会社が布石、依存症対策も主導(ロイターより)

カジノ解禁にらみ海外運営会社が布石、依存症対策も主導

海外のカジノ運営会社が続々と日本を訪れているという記事。

「複数の関係者は、海外のカジノ運営会社の幹部が年明け以降、「新年のあいさつも兼ねて次々と日本に来ている」と明かす。訪問先は札幌市、大阪市、長崎県佐世保市など。

米ハード・ロック・カフェ・インターナショナル、米ボイド・ゲーミング(BYD.N)など、カジノやホテルの運営でノウハウのある企業がこれらの自治体や企業を訪問し、ネットワーキングを広げている。

シンガポールが10年以上前にカジノを解禁した際、ライセンスの認可を受けたのはマレーシアのゲンティン(GENS.SI)、米ラスベガス・サンズ(LVS.N)の2社だけだった。運営会社の多くは、ラスベガスに次ぐ世界第2の市場となる可能性がある日本のカジノに、「この大きなビジネスチャンスを落とすわけには行かない」と意気込んでいる。

米MGMリゾーツ(MGM.N)も日本に熱い視線を注ぐ1社。同社はスタッフを増員し、日本に投じるリソース(経営資源)を拡大する予定だ。」

米ラスベガス・サンズについては、海外腐敗行為防止法違反で罰金が課せられています。中国で不正なカネをばらまいていたようです。

当サイトの関連記事

こちらの解説記事では、カジノは海外のカジノリゾート大手に任せるしかないといっています。

TDLと同じだと思えば、カジノ誘致に異論は出ない(ダイヤモンドオンライン)

「有識者が考えるカジノ構想は、基本的にはディズニーリゾートやユニバーサルスタジオの誘致と同じだ。カジノリゾートの開発は日本企業が自前で行えるものではない。だからカジノ法案が目指す統合リゾート開発とは、サンズやMGMグランドといったグローバルなカジノリゾートの運営会社を日本に誘致するプロジェクトなのだ。

 内情を知っている人はよく知っていることなのだが、カジノリゾートは極めて高度なノウハウが複合したリゾート施設で、ギャンブルだけではなくエンタテインメントの運営ノウハウを統合して保持した上で、ホテル、ショッピングモール、飲食施設までに至るノウハウがないと、経営はおぼつかない。

1980年代にかのドナルド・トランプ氏もカジノ経営に乗り出したが、結局、ノウハウが手に入らずに大きな損失だけを生み出す結果になった。専門の経営者以外には手を出すことができない、複雑な知的財産と人的ノウハウで組み上げられた特別なビジネスモデルの産業が、カジノビジネスなのである。

 だから、たとえばお台場をカジノリゾートにしようとしたら、海外のカジノリゾート大手を日本に誘致する以外にビジネスをスタートさせる現実解はあり得ない。少なくとも開発計画から開業まで、日本企業の入り込む余地など、東京ディズニーランドと同じくらいの現地オペレーション部分における、限られた余地しかないのだ。」

「そのようなグローバルな統合型カジノリゾートの運営会社は、アメリカや香港の裏社会とは完全に縁を切っている。裏社会などと一緒にビジネスを始めたとたん、カジノの信用が消えてしまうのがわかっているからだ。仮に末端のディーラーが裏社会の人とつるんでいかさまでもしようものなら、手元を写している360度監視カメラに発見されて、彼ないしは彼女はカジノ業界から追放されてしまうことになる。」

おそらく、地方公共団体などが余っている土地を提供し、施設を建設する、税金でカジノ施設を建てるわけにはいかないので、日本企業が事業主体となったPFIでやる(企業側が公共施設等運営権の対価を支払う)、実際の運営は、外資系のホテルなどでよくあるパターンだと思いますが、海外カジノ運営会社の日本のグループ会社にやらせる、仮に日本の運営会社が不振でも、売上高などに見合ったマネジメント・フィーを送金させて親会社は着実に儲ける、というような仕組みになるのではないでしょうか。

また、法律で禁止されているとばくを例外的に認めるわけですから、民間事業でやるとしても、公の監視が必要になりますが、そのノウハウは、日本の官庁にはないので、カジノ運営会社に教えてもらってやるのでしょう。

昨年末に公表されたASBJの「公共施設等運営事業における運営権者の会計処理等に関する実務上の取扱い(案)」は、まさにカジノ解禁対応という感じもするのですが...

当サイトの関連記事(「公共施設等運営事業における運営権者の会計処理等に関する実務上の取扱い(案)」について)

その2(カジノ利権発生を懸念した記事について)

ひたすら勝ち続けた幸運な女性、世界最大のカジノ会社の利益に打撃(ブルームバーグ)

「この女性はサンズの新リゾート施設「パリジャン」でのギャンブルで見事なまでの勝負運を示し、サンズの利益を1500万-2000万ドル(約17億-22億7000万円)落ち込ませた。」

ニュースになるくらいですから、こういう人はほとんどいないのでしょう(だからカジノ会社が儲かる)。

当サイトでも何回かふれたように、監査法人もカジノビジネスに関わろうとしています。

統合型リゾートにおけるカジノオペレーションと内部統制(新日本監査法人)

カジノでは、文字どおりキー(物理的な意味での鍵)のコントロールが必要だそうです。
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