政府の「中長期の経済財政に関する試算」を批判した論説記事。
「内閣府から、「中長期の経済財政に関する試算」(以下、中長期財政試算)が公表された。だが財政健全化シナリオの前提になる成長率や税収の見積もりは現実離れしたもので、「いつまで、こんなフィクションを繰り返すのだろうか」というのが正直な感想である。」
特に、税収額(28年度決算額55.5兆円)が問題なのだそうです。
「筆者がとりわけ問題にしたいのは、平成28年度(2016年度)決算での税収額である。
これを見ると、所得税、法人税、消費税の3税(これで税収の8割強を占める)、すべて前年度決算額より減少し、一般会計全体では0.8兆円の減となっている。
これは7年ぶり(リーマンショック時以来)のことだ。
2016年度の名目経済成長率は1.1%なので、いわゆる税収弾性値はマイナスになった。かつてリフレ派が、成長によって税収が増え財政健全化も達成できると主張、「経済回復期には税収弾性値は3とか4になる」と言っていたが、それが間違いであったことが検証された。
そう考えると、2017年度予算の税収見込み57.7兆円も下振れする可能性が高い。...
ましてや、中長期財政試算の2020年度66.5兆円という税収見積もりは、消費税率を19年10月から10%に引き上げるという前提でも計算されているが、安倍政権は、消費増税の3度目の延期をもくろんでいるともいわれており、その点からもこの試算の内容が問われる。」
企業会計における見積りとは違って、政府による見積りは誰も監査していないようです。
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