イオンの2021年2月期第1四半期(3月から5月まで)の決算が大赤字だったという記事。
「イオンが発表した、ことし3月から5月までの3か月間の決算によりますと、売り上げにあたる営業収益は2兆762億円と、去年の同じ時期に比べて1.9%減少し、最終的な損益は539億円の赤字になりました。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、スーパーマーケットでは、一斉休校や外出自粛の拡大で自宅で過ごす人が増えたことにより、食品の販売が大きく伸びました。
一方で、国内外のショッピングモールでは、店舗の臨時休業や営業時間の短縮の影響でテナント賃料を減免したことなどから特別損失を計上し、最終的な損益が赤字になりました。」
特別損失についてプレスリリースが出ています。
特別損失(新型感染症対応による損失)の計上に関するお知らせ(イオン)(PDFファイル)
「当社は新型コロナウイルス感染症の拡大防止の取組として、政府及び各自治体からの営業自粛要請や緊急事態宣言を受け、店舗等施設の臨時休業や営業時間の短縮等の対応を実施しました。このため、2021年2月期第1四半期連結会計期間において、これらの対応に起因する費用及び損失等29,893百万円を新型感染症対応による損失として特別損失に計上しました。主な項目は、店舗等施設休業期間中の地代家賃や減価償却費等の固定費、テナント賃料減免相当額、特別有給休暇等の人件費、感染防止対策費用となります。」
特別損失に300億円近くをもっていったにもかかわらず、営業損益は△12,552百万円、経常損益は△16,072百万円となっています。
2021 年2月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(イオン))(PDFファイル)
同じ2月決算会社である高島屋も第1四半期は大赤字だったようです。
高島屋 3~5月決算 売り上げ半減で205億円赤字 新型コロナ影響(NHK)
「高島屋が発表した、ことし3月から5月までの3か月間の決算によりますと、売り上げは1162億円余りで、去年の同じ時期と比べ48%減少と、ほぼ半分になりました。
また、最終的な損益は205億円余りの赤字となりました。
これは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、4月から5月にかけて食品売り場を除き国内の主力店舗で最大40日以上にわたって休業が続いたことによるもので、特に4月は売り上げが去年の同じ月と比べて70%以上減少しました。」
高島屋も新型コロナ関連の特別損失を計上しています。
特別損失の計上に関するお知らせ(高島屋)(PDFファイル)
「2021 年 2 月期第 1 四半期累計期間において、「新型コロナウイルス感染症による損失」
として、8,585 百万円を特別損失に計上いたしました。
内容は緊急事態宣言の発出による店舗の臨時休業に関連する固定費等で、主な内訳は給料手当 4,194 百万円、不動産賃借料 2,053 百万円、減価償却費 1,730 百万円等となります。」
2021年2月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(高島屋)(PDFファイル)
ファーストリテイリング(8月決算会社)も大きな影響を受けています。
ユニクロのファーストリテイリング 40%余減益 コロナ影響(NHK)
「ファーストリテイリングが発表したことし5月までの9か月間の決算は、売り上げが1兆5449億円と前の年の同じ時期に比べて15.2%減ったほか、最終的な利益は906億円と42.9%減少しました。
これは、新型コロナウイルスの影響で3月から5月にかけて店舗の臨時休業が相次ぎ、売り上げが大きく落ち込んだためです。」
日経記事などによると、累計ではなく直近の3ヶ月(3~5月)の数値では赤字になっているそうです。
四半期報告書では、見積りの仮定について注記しています。
↓
四半期報告書(第59期第3四半期)(ファーストリテイリング)(PDFファイル)
「要約四半期連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが義務付けられております。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延に伴い、当社グループは店舗の臨時休業等による業績の悪化等の影響を受けております。非金融資産の減損においては、2020年6月以降、事業活動は徐々に正常化すると想定しているものの、新型コロナウイルス感染症の影響は2021年8月末まで継続すると仮定しており、その後の回復を前提として見積りを行っております。見積りにおいては、地域別の影響や個々の状況を鑑み判断しております。
要約四半期連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積り及び判断は、上記及びIFRS第16号の適用による影響を除き、前連結会計年度に係る連結財務諸表と同様であります。」
(「要約四半期連結財務諸表注記」より)
3月決算会社の第1四半期も、業種によってはたいへんな決算になりそうです。
同じ小売業でも、儲かっている会社もあるようです。
ライフコーポ、最高益に 巣ごもり追い風、予想を上方修正―21年2月期(時事)
「食品スーパー大手のライフコーポレーションは10日、2021年2月期の連結業績予想を上方修正した。売上高に当たる営業収益は7340億円、純利益は100億円と、いずれも過去最高を見込む。新型コロナウイルス流行に伴う巣ごもり需要が飲食料品を中心に追い風となる。」
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