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ソフトバンク、営業最高益も金融不安で最大750億円の損失リスク 4―9月決算

ソフトバンク、営業最高益も金融不安で最大750億円の損失リスク 4―9月決算〓ビジネス-最新ニュース:IT-PLUS

ソフトバンクが債務担保証券(CDO)で2009年3月期に最大750億円の特別損失を計上するおそれがあるという記事。

「特別損失の懸念があるのは、750億円分の債務担保証券(CDO)。160銘柄中、アイスランドの銀行やリーマン・ブラザーズ証券など6銘柄が債務不履行(デフォルト)となっており、さらにデフォルトが発生すると特別損失を計上することになるという。CDOはもともと、旧ボーダフォンジャパンの公募社債の償還資金としてプールしたもの。孫社長は「当時は邦銀より格付けが高く安全とされていた」と投機目的を否定した。」

9月の第2四半期で反映させる必要はないのでしょうか。少なくとも四半期財務諸表で何らかの開示は必要だと思われます。

ソフトバンク、最大750億円損失の恐れ 金融危機影響

「同社によると、旧ボーダフォンジャパンが発行した社債の償還原資として750億円を金銭信託し、この信託が160銘柄で構成する債務担保証券を保有していた。契約では、このうち6銘柄まで債務不履行になっても損失は発生しないが、7銘柄だと償還額は456億円減り、8銘柄以上で全額の750億円が損失になる仕組みという。債務担保証券の償還は10年8月と9月。すでに経営破綻(はたん)したリーマン・ブラザーズなどの6銘柄が債務不履行となっており、期限までにさらに複数の債務不履行が出ると、特別損失が発生する。」

ソフトバンク、債務担保証券で750億円損失の可能性

「06年に英ボーダフォン日本法人を買収した際、ボーダフォンが抱えていた債務750億円をソフトバンクの財務からいったん切り離すために、750億円分のCDOを購入した。」

決算短信(PDFファイル)

750億円の損失の可能性については、特別なプレスリリース等は公表されていないようですが、決算短信(第2四半期)の片隅に偶発債務の注記として説明されています。(強調はこちらで付けました。)

「ソフトバンクモバイル㈱が発行した下表の社債について、金融機関との間に締結した社債の信託型デット・アサンプション契約(債務履行引受契約)に基づき、金銭を信託拠出しオフバランス処理をしています。

当該信託は、英国領ケイマン諸島に設立された特別目的会社(SPC)が発行した債務担保証券を保有しています。SPC は保有する社債を担保に、160 銘柄で構成されたポートフォリオの一定部分を参照するクレジット・デフォルト・スワップ契約を締結しています。

ポートフォリオを構成する銘柄が一定数以上デフォルト(契約上の信用事由、以下同じ)となった場合、SPC が発行した債務担保証券の償還額が減額されることになります(デフォルトが7銘柄の場合は45,696 百万円、8銘柄以上の場合は全額の75,000 百万円が減額されます)。」

もし損失が生じるようだと、武富士と同じようなケースとなります。いつオンバランスにするかという点も議論となりそうです。

また、参照している160銘柄のうち7銘柄がデフォルトになるということはほとんど「ありえない」と言ってもよかったのかもしれませんが、154銘柄のうちどれか1銘柄がデフォルトになる確率は相当ありそうです。いっそのこと、154銘柄の債務者名を公表すれば非常に透明性の高い開示となります(現行ルールではそこまで求められてはいませんが)。

当サイトの関連記事(武富士、サブプライムローンで最大300億円の損失)

“経営不安説”浮上ソフトバンク「5つの不安」とは?
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