靴下ケータイ

＜１２月１４日（木）＞

季節は冬。１２月。夜の街はすっかりクリスマスムードを漂わせている。けれども、朝だってそれを感じさせる瞬間はある。
怪人クンは、毎日がモーニング・クリスマス！
７時。目覚ましの音で跳ね起きる。まずはケータイをチェック。これが始まりの合図。
封筒のアイコンがディスプレイの左上下に１つずつ。目覚めとともに見つけてニコリ。〝新着メールあり〟。心が躍る瞬間だ。ボタンを押す。相手の名前。着信時間は４時か５時。あのコカらのメッセージ。

これってどこか、子供の頃に味わったあの感覚にソックリだ。
彼女からの１通は、ベッドの横に置いてた靴下にプレゼントが届いているような、そんなトキメキをくれるのだ。
今、世間の話題は〝お財布ケータイ〟。でも、怪人クンのはちょっと違うよ。世界にひとつの〝靴下ケータイ〟。
残念ながら、この日はそれがなかったけれど。たまにはそういう時もある。あしたはきっと…。

実に明るく、メルヘンチックに酔いしれる一方で。
遠く離れた都から、不吉な風が吹いてくる。〝怪人クン〟のこの命、あと数日の噂あり。浮かんで消える、史上最悪の四字熟語。
「××××」。
あぁ、それだけはやめてくれ！考えただけで恐ろしい。
近づくタイムリミット。忍び寄るブラック・クリスマス。
今こそ、「時間よ止まれ」と叫びたい！


※写真は後日。