快風丸

俺の船に乗らないか。

来年のツール

2009-07-27 23:19:49 | Weblog
 第96回、ツール・ド・フランスは幕を閉じた。
2003年から見始めた。3年前、ランスが去ったツールは、ドーピング問題で心の底からがっかりした。その翌年も同様、表彰台に立ったチャンピオンは後日、失格となり、新しいチャンピオンが決まるのに数か月を要した。

 ランス、無き後、深夜のTV中継で新しいヒーローの誕生に興奮した気持ちの収めどころがなかった。もう、ツールなんか見るのはよそうと思った。それほど落胆した。

 今年のツールは、今まで観てきた中でも、特別におもしろかった。それは単なる主観ではなくて、TV放映されている世界168ヶ国の共通の客観と言って差し支えない。

 ポイントは3つ。

 まず、優勝したコンタドール。スペイン出身の26歳。2007のツール・ド・フランス、2008ジロ・デ・イタリア、2008ヴェルタ・ア・エスパーニャ、出場したグランツールすべて優勝している。偉業である。山岳ステージもタイムトライアルも並みいるライバルを蹴落としてステージ優勝もしている。
 ランスが初めてツールを制したのは27歳。コンタドールは8勝できるかも知れないとの見方もあるそうです。新しい伝説の始まりなのです。

 そして、ランスの総合3位。がんから生還したテキサスの雄牛は、ツール7連覇という前人未踏の偉業を成し遂げ、2005に引退。今年、3年半のプランクを経てまさかの復活。ツールの歴史になかったことだ。37歳は自転車選手としてはすでに夕暮れ時である。彼の自伝を以前に読んだ。感動した。もう一度読んだ。
 正直ね、誰しもがね、やめとけと思ったはず。自分の栄光に自分で泥を塗るなと。選手として、過去、誰もが成し遂げていない大記録を達成して、そのピークのまま引退したのだ。最高の引き際。もういいじゃない。
 ところが、3位。最終日、表彰台に登ったのですよ。
しかも、来年も走ると明言している。自費でドリームチームを作り、総合優勝を狙う気のようです。新しい伝説の始まりです。

 最後に、日本人選手の活躍です。BEPPUもARASHIROも完走した。ツールは、スタートラインに立ったらそれで自転車の神様になると言われています。そこに立つためならあとはどうなってもいいと何万人という選手が思っている世界の頂点なんです。完走するというのもすごいことなんです。
 それが、昨日、最終ステージ、シャンゼリゼの周回コースで、別府選手が集団から飛び出ました。先頭グループ6名、全10周回のうち、7周回をこの逃げ集団はトップを走り続けたのです。別府は何度も先頭で走りました。
 オフィシャル映像は世界へ向けて、別府の名前を連呼し、テロップに日の丸とともにBEPPUの名が出るわけです。
 最終日のシャンゼリゼというのは、そりゃ晴れ舞台なわけでして、そこで、サムライがハラキリスプリントなんですよ。
 結局、最終で抜かれましたけどね。
しかし、ふつうシャンゼリゼの周回コースは、アタック合戦、次々と前に出てはつぶされを繰り返すのが通例で、7周回も逃げ続けるなんちゅうのは、もう驚異としか言いようがないわけです。だって、みんな目立ちたいわけで、特にこの最終日に少しでも先頭を走ると、世界中にアピールできるわけで、選手としてのステイタスもぐっと上がるわけですから。
 そんな世界のトップを抑えて、サムライがハラキリなんですよ。そして、このステージで敢闘賞を獲っています。

 新城選手もステージ最高5位。
新しい伝説の始まりです。

 今朝、NHKニュースで大々的にやってました。
まだ足りないです。二人、とりあえず帰国してTVに出まくってほしいです。
また、ちょっとタレント性もあるんですよ、この二人。フランスのTVに出て、フランス語で受け答えしてたらしいです。

 さ、来年もこの世界一おもしろいTV番組、楽しみにしています。