父の朝顔

　毎日の水遣りの甲斐があったのであろうか。沢山の花が咲いてくれた。毎朝見るのが楽しくなる。朝鮮朝顔も花芽を出している。それでもあと二三日はかかるだろう。そのとき一斉に真紅の小さなラッパのような花が咲くのである。

　たった一株であるが色違いの朝顔が咲いた。待たされた。単色でなくてよかった。毎年朝顔を咲かせることで亡き父の自慢げな顔を思い出すのである。

小正西古墳

　一号墳の説明版が破壊されている。どうしてこの様なことをするのか、気持ちが判らぬ。住宅街に囲まれていれば人の目が絶えずあるはずだろうに人の目も気にせずにやるのだろうか。それとも真夜中に来てやるのだろうか。公園になっているから屯するのだろうな。あまりにもなさけない。憤懣やるかたない。

　少々特異な古墳である。ご覧のように二段構築となっている。それよりも先に檻の中に入っている古墳の方が珍しい。まさか悪戯されるとはよもや思わなかったのであろう。ボランティアで作られた埴輪が火鉢になったり、キックの対象になったりと、こんな古墳は世の中にはなかろう。地元の歴史を小学校時から後世に残していくのは我々しかいないのだということをきちんと教えてゆくことをしないといけないのではないか。が、しかし、それもなさけないことかもしれん。