武人は後ろから見た方がよく判る。甲にしろ鎧にしろこの石人で当時の戦士の姿を垣間見ることが出来る。石馬が欠けていたものだから蛙に見えたらしい。さもありなんか。これを見る限りでは騎馬民族説もあるのかなとも思ったりもした。
入場券の写真である。鳥瞰しないと判らないほどの古墳であることはすでに述べた。さて、学芸員に少し話を聞いた。古墳とはいうものの磐井は葬られてはいないのである。生前に造らせているものの石室など造っていなかったそうだ。その御蔭で盗掘などはないのである。また近代になっても調査が入っていないので処女地といっても過言ではないとのことだった。それでこの古墳にだけにしかない植物があるとのことで、換言すれば周囲では絶滅した植物がここにだけ残っているとのことなのだ。植生が昔(何時頃の時代かはわからぬらしい)から綿々として続いているわけで植物学でも貴重な場所なのである。調査を入れたいと言っても住民が拒んでいるとのことであった。それだけ住民にとって神聖な場所なのだそうだ。それだから今のままで残ってゆくのであろう。
宮内庁管理の古墳などもそのようなものかもしれん。歴史のみならず植生のためには良いことなのかもしれぬが立ち入り出来なければ何があるのか判らんな。