
昭和49年8月20日(火) 日南海岸 堀切峠 向うに見えるのはサボテン公園である。この日は西都原近くの杉安駅からの出発で、到着地は都井岬である。
杉安駅は妻線の終点駅で、終列車が翌日の始発のために待機している。
前日の夜、駅長さんが「寝るのなら車両の中で寝なさい」と言われた。普通車とグリーン車があるので、グリーンで寝た。
出発前には駅長さんがお茶を入れてくれ、始発車両の運転士と車掌さんが見送ってくれた。
気持ちよく走っていると後方から大きな声が聞こえてくる。周りを見渡しても誰もいないのだ。奇妙に思いながらスピードをあげて走り出すとまた後方から声が聞こえてくる。振り向くと汽車が走ってくる。最後尾の窓から身を乗り出して声を上げているのは車掌さんだった。大きく手を振ってくれている。「がんばれよー」と励ましてくれている。汽車は警笛を鳴らしてくれている。私は追い越されながら大きく手を振ってそれに答えた。朝から気分がよい。










