
尾道のホテルを発つときにお婆さんが見送りに出てくれたので丁重にお礼を言って別れを告げた。後日談ではあるが家族で尾道に行く計画をし、泊まるならあのホテルと言うことになり電話を入れた。既に7,8年は経っていたが電話は通じたのである。ところがホテルは既に廃業し、お婆さんは亡くなられていた。私はその時の事を昨日の出来事のように話した。残念だった。電話の向うでもお礼を言っておられた。かえすがえすも残念でならない。
さて、尾道からフェリーを利用し、島を転々として三原へ上陸。そしてご覧のように呉、音戸大橋である。ここで野宿をした。
転寝をしていた。と、夜中サイレンがけたたましく鳴る。それとともに数台のバイクのエンジン音が近づいてくる。エンジン音が消えたと思う間もなく小人数が駆け上がって来る。その様子が手に取るほどになった。今で言う暴走族だった。パトカーに追われバイクを捨てて逃げているのである。これはやばいと思って空気入れを抱いて、寝た振りをしていた。傍に来た。するとリーダー格であろう者が「自転車のやつが寝取るぞ。静かに行け」すると、今の今までバタバタとした足音が急に無くなって、抜き足差し足だ。これには驚きと同時に嬉しくもなった。
交通ルールは守らないのだが人情はしっかりと守っていたのである。後は、なにもなかったように無事に眠ることが出来たのである。










