街道を歩く

今まで歩いた街道、町並み、これから歩く街道、町並みを散文的に紹介

春の秋月街道

2008-04-09 08:19:43 | 秋月街道
 近くの駅まで行くのに安部山の桜並木通りを下る。桜が既に散り始めており、花びらが歩道一面に拡がっている。そのため桜の花びらで作った筒の中を歩いているように思えた。365日のほんの一刹那であり、それが日本人の心を桜に傾けさせるのであろう。
 電車に乗り、次の駅でディーゼル列車に乗り換えるのである。幹線から支線、所謂ローカル線を行く。非電化だからディーゼルカーである。電車は唯単に移動していると言う感しかないのだが、ディーゼルカーは「乗っている」という感がする。
 線路にしてもローカル線は継ぎ目が多く「軽快に走っている」という感じが身体に直接伝わってくるのである。又、スピードが上がる度にエンジンが唸りをあげていく。これがまた身体に気持ちがよい。「走っている。乗っている」線路から車体へ、車体から自分の身体へと、この感触はローカル線でないと味わうことが出来ないのだ。
 駅に着くたびにその両脇には必ずと言っていいほど桜が並ぶ。小さな田舎の駅には満開の桜が大変よく似合う。いい季節である。車窓から見るに雨どころか陽光が燦燦と気持ちよく降り注がれている。車窓から眺める風景はもう大変な笑顔である。我々の列車は心地好く風を切り裂いて鉄路を走る。
コメント
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